フォロワーの晴れ舞台
ふと思い立って、イラストレーターとして活動している方のアカウントに久々に顔を出した。すると、配信告知のポストが目に入った。
今日は丁度、フォロワーの初配信の日だったらしい。彼女は私のクライアントでもあり、絵が上手いイラストレーターでもある。彼女からイラストの依頼を受けたときは、正直、「なんでこの人が私に依頼を……?」と戸惑ったくらいだ。
そんな彼女の晴れ舞台を私も楽しみにしていたが、私はいつも配信者の配信予定時間と活動時間が合わず、ライバーの配信を見ることが出来ないことが多々ある。今回もきっと拝むことはできないだろう、と半ば諦めながら、自宅で休憩をしていたところだった。例の配信告知のポストが目に入ってきた。
ところで、IRIAM(イリアム)という配信アプリをご存知だろうか。
IRIAMというのは、キャラクターの全身が写った「立ち絵」イラストをアップロードするだけで、キャラクターがライバーの表情に合わせて勝手に動いてくれる、疑似Live2Dの配信アプリである。配信者が使える立ち絵には、著作権関係はもちろんのこと、正面を向いていないといけないとか、顔が所謂アニメ塗りでないと認識しないとか、髪の描写をするときは目が隠れてはいけないとか、様々な規定がある。
私も極稀に配信用イラストを頼まれることがあるので、IRIAMのアカウントを持っているのだが、ライバーとそもそも時間が合わないことが多い。仮に配信に間に合っても、作業に没頭して黙ってしまうとか、途中で無断退出してしまうこともしばしばある。その影響で、動作確認以外で積極的にIRIAMを利用したことは無かった。
私はフォロワーの彼女の配信を見に行った。バレませんように、影から見守ろう、などと思いつつルームに入ると、名前やアイコンをイラストレーター名に変えたことを失念しており、秒でバレた。
彼女に「ひよこひよ先生~!」と呼ばれたのだ(※)。バレてしまっては仕方ない。私は「初配信おめでとうございます~!」とコメントした。来てくれて嬉しいと言われたときは、私も嬉しくなったものだ。
(※ 実際はもちろんイラストレーターとしての活動名で呼ばれている。それもフルネームで。嬉しい限りである)
彼女の配信は、初とは思えないほどにハキハキとしていた。始まる前はとても緊張していて吐きそうだった、と笑いながら話していたが、そんなことは微塵も感じさせない明るさで、場を回していた。IRIAMの配信はスマートフォンで行うのだが、スタンドが無い状態で、スマートフォンを手に持って何時間も配信していて流石に辛い、と語っていた。なので、おすすめのスマホスタンドメーカーをコメントしておいた。
今後は、ゆるりとした雑談配信を平日昼間に行う予定らしい。彼女もイラストレーターなので、作業配信もすると言っていた。私の仕事の都合上、もしかしたら彼女の配信を今後見られなくなってしまうことも多々あるかもしれないが、観られそうであれば、また様子を観に行きたいと思う。
ところで、何故私にイラストを依頼したかについても言及してくれていた。どうやら本気で私のイラストを好んでくれていたらしい。本当にありがたい。しかし、動揺したのと、IRIAMのシステムに慣れてなかったこともあり、礼を言いそびれてしまった。その代わりと言っては何だが、明日の彼女の配信時刻に合わせて、ファンアートを描いた。喜んでもらえるといいのだが……。
靴擦れ
※ 怪我の描写を含みます。苦手な方は今すぐ閲覧を中止してください。
旅行に履いていく靴を購入していたのだが、なんとなく落ち着かないので、代わりに、気に入っている靴を下ろした。別居している父から貰った革靴で、しばらく履いていないと靴擦れを起こす。しかし、かわいいので、とても気に入っている。
私は再び履き慣らすため、しばらくその靴で出勤していた。すると、やはり靴擦れを起こしていた。とはいえ、皮が薄く向けている程度。その日は痛くなかったので放置していた。
次の日、絆創膏もせずに靴を履いていった。そして、その日の夕方、風呂に入ると、何やら激痛がする。耐えられるほどの激痛を感じた箇所は、靴擦れを起こしていた足である。その足を見てみると……
水ぶくれが潰れたように、皮が剝けていた。
剥けた皮は擦りむいたにしては厚く、その皮が水圧でべろべろと開いたり閉じたりするたびに痛みが走った。なんなんだよこれ。こんなことは今まで一度も起こったことがない。私は半ば八つ当たりのようにキレながら、身体を洗った。
幸い、全ての皮が向けたわけではなかったので、その日に絆創膏をして寝たところ、ある程度皮がくっついており、ホッとした。
侮るなかれ、靴擦れ。人間を何年もやっているはずなのにこれである。皮が剥けるほどの靴擦れを起こしたらすぐ、絆創膏を貼るようにしよう。