病院食への憧憬

Trigonophorus
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どうも、風邪を引くタイプの馬鹿です。

いや、馬鹿は風邪引かないだの馬鹿と煙は高いところが好きだの、日本って馬鹿にまつわることわざが結構あるけど、大体蔑みの視点から馬鹿は語られるよね。

馬鹿が何をしたというんだ。頭が悪いというだけで、何故ここまで言いたい放題謗りを受けねばならないのか...。と、馬鹿当事者としては心を痛めてやまないのですが、それはまた別のお話。

風邪、ひいたんですよね。

しかも結構厄介めな感じで、深夜に咳で起こされたり、咳で体力がもっていかれるからか食欲がなく固形物を食べる気になれなくて、プリンやアイスばかり食べています。

こんな時、ふと思い出すのは幼き日の入院生活。私は先天性の心疾患があったので、幼少期の一年ほど手術のために入院してる時期がありました。

よく、入院経験のある人が振り返って恋しがることに、看護師さんや患者さんが優しかったというのがあるけど、私は違うものを恋しく思う。それは病院食(特に朝食)だ。

病院食の朝食の何が好きかって、味気ないバターロールと味付けのない目玉焼きがね、美味しくて。あとは日によってヨーグルトやバナナやサラダがついてますけど、まぁ軒並み味が薄い。それでいて素材の味とかいうほど滋味深くもないので、非常に味気ない食事になるんだな。

でもそれがいいんだな。

小麦粉の甘みもへったくれもないバターロールを牛乳に浸したり味付けのない綺麗に焼かれた目玉焼きを付けたりして食べると、なんだろうね、生き物として管理されてるなぁって感じがすごくしてね、こんなに丁重に管理されてるのだから、もうちょっと生きようか。みたいな気持ちになれるんですね。

そんで入院生活って寝てばかりだからまぁ昼夜逆転するわけで。朝焼けの白んだ空を眺める内に朝がやってきて、こうした朝食が出てくる。それがすごく私の中での穏やかさの象徴でして。

そんなわけで今日は、病院の帰りになんてことないバターロールを買ってきました。

明日の朝食は、このなんてことないバターロールと牛乳と味のうっすい綺麗な目玉焼きを食べる予定です。

とか言いながらね、咳が辛くて一睡もできず朝が来そうなんですけどもね。

いやぁ...病休って恐ろしくヒマだ...