二次創作漫画を描いたら世界が漫画を描く前/後で完全に変わってしまった。
※この後出てくる創作活動(わたしが主体のもの)は注釈がなければ全部二次創作です。ファンフィクション活動に理解のある方はどうぞ。
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少し前から短歌がおもしろいなと思って人の作品を見たり自分でもつくってみたりしている。で、5月くらいに書いた小説のちょっとした続きみたいなものを短歌にしたらなんかおもしろかった。同じ題材を違う表現でやってみるのっていいな、と思って、ふと「漫画でやってみたいな」という気持ちになった。
普段iPadとProcreateを使ってイラストを描いているけど漫画は描いたことがなかった。でもとりあえず描いてみた。ストーリーは短歌をベースにしているので作画だけで10時間くらい?、2枚の漫画ができた。
そうしたらめちゃくちゃ楽しい。
描いている最中は難しすぎる!思いつきでやるものではない!とわあわあ言っていたけど、完成したらとにかく楽しかった。ものすごい。たまたま絵が描けるからだろと言われるかもしれないけど、自分の目から見ても拙い部分はあって、それでもめちゃくちゃ楽しいのだ。
この楽しさはなんなんだ!と思っていたとき、in the blue shirt・有村さんが提唱している「クリエイト・フォー・パーソナリティ(Create-for-Personality/C4P)」を思い出した。
創作物を“内的なパーソナリティが外部に取り出されたアウトプット”と捉え、自己理解や他者との違いを知る道具として活用する。
「内的なパーソナリティが漫画という今まで自分がやったことのない表現で切り出され、新鮮に映っている」ことが楽しいのかな、と思っている。
有村さんがよくみんな曲を作ろう、と言うけど、今はそれの漫画版になっている。みんな漫画を描こう。
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8/15-17を漫画を描くことに費やして、今は少し熱が落ち着いてきた。Twitterに投稿してから塗り忘れがあったことに気づいて、今までの自分だったら「ウワー!もうこの絵見ないでください!」となっていたところ、世界が変わったので「のびしろをありがとう♪」みたいになっている。イラストだけを描いていたときは教本や添削コンテンツに対して好きにやらせろと反発する気持ちを持っていたのだが、漫画はいろいろな技術を知りたい気持ちもある。世界が変わったというより自分が変わったのかもしれない。
あと、「自分が漫画でやりたいことって全部tofubeatsがFANTASY CLUBでやってるな」と思った。
美しいけど終わりがあるストーリー
努力しても報われない恋や
本当のこと 触れてしまう時
これ以上もう気づかないで
(tofubeats - CHANT #1)
CDのブックレットに掲載されていた文章もそう。
インターネットを始めたころは面白いものが昔よりもっと評価されやすくなる未来がくるぞ!と信じていたが、今となっては全く逆で、全てがバズみたいなものと結び付けられていけば、物事はきっとさらに低い所に流れていくだろうと思う。
自分がこうした義憤にかられてしまっていることについて立ち止まって考えてみる。インターネット越しに全てをわかったような気分になり、嘘か幻かもわからないような、自分の目で確かめたことではない情報について語っている時点で、自分が揶揄している向こう側の人間と全く同じ状況であることに気がつく。
きっと今より良い世の中というのはあるはず、ただそこにはどうやって行ったらよいのか、自分が何をすべきかというのがわからない。
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自分が小説を書き始めたころ(そのときは一次創作のBL)、今は亡きSoundmainに掲載されたTelematic Visionsさんのインタビュー「Telematic Visionsインタビュー 「コンテキスト」と「ビジュアルイメージ」との相互作用によって生まれる新たなサウンドスケープに迫る」にかなり影響を受けた。
記事タイトルからも語られる「音楽以外の文脈から音楽をつくる」ことに、「小説を書くならいい小説をたくさん読んで学ばなければ…」みたいな既成概念をぶち壊されて(もちろんそれも一理あることではある)、ひどく感銘を受けて、わたしも「小説以外の文脈から小説をつくる」をやりたい!と思い、そのとき出した同人誌では、音楽、ミーム、シチュエーションボイス、ライトノベルなどのバイブスを総合して作品のイメージを作っていた。
今回漫画を描く少し前、きっとどんな自分にとってもなくならない衝動だと思っていた創作活動を初めて辞めたいと思って、動揺していた。漫画を描くことで自分の創作の初期衝動を思い出すことができた。
だから、漫画を描いたことがなくても漫画は描けるし、それは素晴らしいことだと思う。
漫画を描こう!
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おまけ
今回描いた漫画(二次創作BLです)

