2024.03.16

No.9
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木漏れ日の描写が綺麗だった、まさに「木漏れ日」という時をそのまま表したような映像だった。外の暗さから予想するに毎朝起床は5時頃...?窓から木が見える部屋とか朝神社?の掃き掃除の音で目覚める立地も住む場所に対する主人公のこだわりを感じる。

朝仕事に向かうために部屋を出る時、あんなふうに空を見上げる余裕も、笑顔も私にはない。

「perfect days」とは何か。ある種人々が避けるような職業を日々淡々とこなして、その中に毎日ルーティンとして訪れる幸せがある。お昼ご飯を食べる場所にある大きな木、仕事を終えた後に向かう行きつけのお店と、その場所でお疲れ様と労う言葉をかけてくれて、おやすみと言ってくれる人がいる。お互いに声は掛け合わなくても、お互いに存在を、生存を確認し合うような銭湯。

阿吽の呼吸の街のカメラ屋と陽気な古本屋の店主。好きな音楽と本に囲まれた生活。

私たちの世界には複数の世界があって、決して交わらない世界がある。

主人公が元々いた世界は、きっと富、権力、全て揃っていた誰もが羨むとされているような生活だったかもしれないけど、主人公にとってはとても息がしづらい世界だったのかなと。

1人で生きていくこと、不安定な職についていること、確実で安心なことは何もないけど、その中で孤独を感じる時は、いつも自分で向かえに行ける安全な場所と小さな幸せと、少しの人との関わりが足場を組み立ててくれていて、たまに恋愛的な衝撃と、家族の存在に強く揺さぶられながら、自分の生活を守っているように感じる。

不安定な世の中でより不安定な生活が続いついる環境。

最後に朝日に照らされながら泣いていたシーン。あれはどういう意味が込められていたのだろう。

まだあのシーンに関しては言葉にできなそう。