土曜日。日を跨ぎ朝6時半までvrchatで話し込んでいたので、起きた時にはもう昼を迎えていた。ここ最近は夜の過ごし方が大学生っぽくて、なんとなく懐かしい感覚と同時に年齢と健康を考えるとまずい気持ちもあり、楽しいけどほどほどにしたい。
起きてから布団の中で小一時間スマホを見つめていたけど流石にあかんとなり気合を入れてベッドを出る。
今日一日を取り戻したいけど近所を散歩という気分でもなかったので電車に乗り中野へ。サンモールを通っていつものようにブロードウェイを適当に物色。
起きてから何も食べてなかったけどご飯には中途半端なおやつどきだったのでよく行く珈琲店へ。
小さな店内で外にテラス席があるこの店は来るたびに常連っぽい人たちが話していて和やかだ。今日は寒いのでカフェモカを注文した。
レジ横のベンチで待っていると初老ぐらいの海外の男性が横に座ってきた。寒いねと話しかけられてそうだねと返す。自分の話す英語はボキャブラリーは拙いけど、日本語以外でコミュニケーションが取れた時って少し嬉しい。
これだけ寒い日なのでてっきりホットかと思っていたら彼はアイスコーヒーを頼み勢いよく飲んでいた。それ美味しい?と聞くとめっちゃ美味しいよ、寒いけどねって返されて笑いが起きる。いい感じ。凍えながらも外に出て良かった。

その後気をよくしたのかあまりやらない一人飲みをして失敗してしまうのだけど。
一人で飲むと言葉を出すこともなくあれこれ考えたりしてなんとなく気落ちしてしまうので誰かと飲むほうが好きだ。カウンターに置かれた空のジョッキが何処か虚しさを感じさせる。
このテンションのまま家に帰ってもしょうがないので、もうワンクッションとして家の最寄りのコメダでコーヒーを啜って酔いを覚ますことにした。普段ならまだもう一軒と言いながら居座ってるような時間だけどさっさと帰路につく。
コメダへ着くと20時半ぐらいなのにまだまだ人が並んでいて賑やかだった。他に行くところもないので大人しく順番を待って入店する。
酔い覚ましのお供に積み本になっていた「矛盾の海へ(著:竹内万里子)」を読んだ。
被写体を扱う時に伴う痛み、カメラや写真と自分との関係の在り方についてが書かれたこの本は竹内さんの紡ぐ言葉が心地よいながらも力強く、かつ今の自分の考え方に近いものがあって嬉しかった。
人や物を見て何かを作るという行為は暴力的であり、さまざまなメディアやコンテンツが広がる中でその暴力は避けられないと思う。その中で自分がそのまなざしを向ける対象に対してどこまで寄り添い、考えてあげる事ができるだろうか。一方で行き過ぎた配慮も何かを作り出すには障壁となってしまうので、どうバランスを取っていけばいいのかは今後またいろいろ考えていく機会が増えていくと思う。
白か黒かが全てのような現代の風潮の中で竹内さんの考えに触れることが出来て少しほっとした。
読み終えたタイミングでちょうど23時の退店時間となり店を出る。素敵な本を読んだので内容を歩きながら反芻したかったのだけど、外に出た途端繁華街の客引の声や猥雑な雰囲気に対する少しの苛立ちと凍えるような風がその場を離れるよう促してきたので足早に家へ向かった。
穏やかな春の風が吹くにはまだまだ遠く寒さに耐えるしかないけれど、暖を取る楽しさに気づいたらまだちょっと寒くても良いかもと思った。