はじめに
微生物はとにかく種が多い、さらにデータも全然出ていないし、いざ解析したらまだ特定されていないunknownなんてのもざらにいます。
そこで、私が実際に解析していた際に使用していた微生物の生態に関するまとめ(当時はメモ書き程度)を投稿しようと思います。
今後、主要な細菌のデータも付け加えたりする予定です(ロンガムさんとか)。
*一応、コラム的な感じで専門用語には説明をふっています。
私が高2の頃に作った微生物生態まとめ
[Caldithrix]:カルディトリクス門
好熱性桿菌(細長い形状)
偏性嫌気性(酸素を使わない)
[Parvarchaeota]:パルウ古細菌
古細菌(最高122°Cで生育可能)(アーキア) ゲノムサイズが小さい。
近年メタゲノム解析によって全ゲノムの解読が報告された。
パルウス(ラテン語で小さい)
地球上の全ての生物は古細菌(アーキア)・細菌(バクテリア)・真核生物(ユーカリオタ)のいずれかのドメインに分類される。
Actinobacteria:大腸菌
腸内細菌は大きく分けてFirmicutes門(肥満のマウスに多く存在)、Bacteroidetes門(正常なマウスに多く存在)、Proteobacteria門、Actinobacteria門
Aquificae:アクウィフェクス門
好熱性(95°Cまで生育可能) 桿菌
水素を酸化して増殖(好気性)二酸化炭素を唯一の炭素源とする化学合成独立栄養生物
中性〜弱塩基性を好む
一部硫黄や亜ヒ素を酸化する種や嫌気条件で最終電子受容体に硫黄や窒素や硝酸塩を用 いることができるものや稀に有機物を利用する従属栄養性の種もいる。
Armatimonadetes:アルマティモナス門
好気性細菌
ヨシ(アシ)の根圏で発見された。
Bacteroidetes:バクテロイデス門
桿菌・螺旋 グラム陰性細菌 嫌気性・好気性
尿素を窒素源とする場合もある
腸内細菌叢の主要な構成菌
土壌にも多く存在(腸内物質1gにつき100000000000個ほど存在する)
日和見 感染症の原因になる場合もある
大きめの細菌
幅広い代謝能力
グラム陰性の特徴としては細胞質に接する薄い内膜が挙げられる。
バクテロイデス門の現象が肥満や過敏性症候群に関連したりする。
FCB群(フィブロバクテル門、クロロビウム門、バ クテロイデス門)の一種
Chlamydiae:クラミジア門
OP3系統を含む
PVC群(プランクトケミス門、ウェルコミクロビウム門、クラミジア門)の一種
Chlorobi:クロロビウム門
偏性嫌気性細菌の光合成細菌の緑色硫黄細菌・通気性嫌気性細菌の従属栄養細菌
グラム陰性細菌
FCB群とは
従属栄養細菌とは有機炭素源を自分で作れない動物由来の有機化合物を用い食物連鎖では消費者もしくは分解者
Chloroflexi:クロロフレクサス門
緑色滑走細菌(緑色非硫黄細菌)(酸素非発生型光合成)
好熱菌・放線菌含む
2/3がグラム陰性糸状細菌
1/3がグラム陽性菌
グラム陽性菌の特徴としては厚い細胞壁が挙げられる。
姉妹群として藍藻
Cyanobacteria:藍藻細菌門(シアノバクテリア)
真正細菌の原核生物
地球上に初めて現れた酸素発生型光合成細菌
窒素固定者(アンモニア →窒素)でもある
高pH環境下を好む傾向
低温にも耐える
酸素と有機物の安定供給の基盤
Euryarchaeota:ユーリ古細菌
メタン生成菌・高度好塩菌を中心とした古細菌
超好熱菌や好熱好酸菌も含む
古細菌の8割を占める。
Fibrobacteres:フィブロバクテル門
グラム陰性細菌
TG3を含む
嫌気性
高分子(セルロース(植物細胞)、キチン)を分解する
FCB群の一種
Firmicutes:ファーミキューテス門
グラム陽性細菌(一部グラム陰性)
乾燥耐性
極端な環境に対応
球菌・桿菌
酸素非発生型光合成
プロテオバクテリア門に次ぐ多様性
腸内細菌・皮膚常在菌・病原菌
Gemmatimonadetes:ゲンマティモナス門
グラム陰性菌
中温性
好気性従属栄養細菌
光と有機物と酸素があれば光従属的にも増殖可能
FCB群の一種
Lentisphaerae:レンティスファエラ門
グラム陰性細菌
少ない
Nitrospirae:ニトロスピラ門
OP11、OP3、OP9
バクテロイデス門の現象が肥満や過敏性症候群に関連したりする。
OPについて
イエローストーン国立公園のObsidian Pool (OP)という温泉から発見された未培養系統群( 7 つ以上)が候補門 OP1、 OP3、 OP5、 OP8、 OP9、 OP10 、 OP11 。
日本人が世界で初めて純粋分離に成功。
Planctomycetes:プランクトミケス門
OP3を含む
PVC群
Proteobacteria:プロテオバクテリア門
グラム陰性細菌
通性嫌気性細菌の従属栄養性細菌が多い(一部のぞく)
光栄養(光合成)・化学栄養(周囲の電子供与体の酸化)・独立栄養(無機化合物を炭素源)・従属栄養(有機化合物 を炭素源)・好気呼吸(酸素)・嫌気呼吸(二酸化炭素)・発酵など様々な代謝様式
炭素固定、窒素固定
多くの病原菌を含む
赤色なので紅色細菌と呼ばれた
Spirochaetes:スピロヘーター門
グラム陰性細菌
螺旋状
細胞壁は薄く柔軟
常在菌 病原菌を含む
近年ではSpirochaetaeotaが提示されている。
Thermotogae:テルモトガ門
グラム陰性細菌に似ているが異種
桿菌 編成嫌気性従属栄養生物
好熱性 嫌気条件で有機物を発酵
Verrucomicrobia:ウェルコミクロビウム門
グラム陰性細菌
好酸性メタン資化菌、原生生物の共生体などを含む
培養が難しく謎が多い
最後に
おそらくこれだけではわからなかった種も多くいると思います。
そんなときにはBacDive | The Bacterial Diversity Metadatabace をおすすめします。
じゃあ最初からそれを言えと思うかもしれませんが、BacDiveでは専門用語の理解が必須であったりそもそも英語でしか情報が書かれていないため、大分噛み砕いた日本語での説明も大切だと考えて今回は上記のまとめを公開してみました。
もし、この微生物についても載せてくれということがありましたら感想レターを送ってください!