ないからこそ全てを投げ出したい。書きたいことなんてないくせに心の中から何か引きずり出そうとして、出てきたのは赤黒いものだった。それに鮮やかさの欠片もない。前を向いたって貴女も貴方も居ないし、きっと私はひとりで生きていかなきゃいけないし、2人がいなくても私はきっと生きていけてしまうし。そんな綺麗な文章を多分書きたいだけだし。綺麗、綺麗、綺麗、綺麗って、綺麗って結局なんだよ。そんなもの一瞬たりとも見たことないくせに。偶像を書き綴って満足して、遺ったものは不格好ななんだろうな。そんな簡単な言葉も思い付かないくせに一丁前に語りたいだけだ。安心して。酔ってないよ。ただ、多分、心の中から言葉を引き摺り出した結果こうなっただけ。綺麗な文章じゃないよ。私が描くものなんて。私自身が綺麗を分かってないからさ。