君の核心に触れたような気がした

みなと
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noteで書いている月間音楽プレイリストに載せるMVを載せるため、YouTubeを開いた。ヨルシカの曲を見たあと、おすすめに出てきた岡田拓也という人が弾き語りをしていたショート動画。透き通る声で、一瞬で魅了された。その後すぐにほかの曲も聴いてみようと思い開いた中で目に止まったのが羊文学の1999。この曲は車校で担当指導員になった方がLINE BGMにしていた曲だった。

再生した途端聴こえてきた『僕はどうしたらいい?』。岡田さんの声で再生されたせいかもしれないけれど、そこに寂しさが隠れている気がして、ギュッと胸が苦しくなった。まだ担当指導員の人とは出会ってまもないけれど気さくで面白い人だ。だから、余計に少し不安になる。寂しさを紛らわすように周りの人を笑かしているような。それが少しだけ、学生時代に唯一彼氏となった元彼と似ていた。前回バイトの話をしたのに「聞いたけど忘れた。なんだっけ?」と改めて訊ねてくることも、私が謎にツボって話せない時も「ん?」って言って待ってくれてたり、上手くカーブが曲がれたら「おっ、今のよかったですよ。いいですねぇ」って言ってくれたり、そんな優しい気遣いが少しだけ、少しだけ元彼に似ている。そしてその優しさが羊文学の1999に現れているような気もする。

私が通い始めた車校は、なんだか今まで出会ってきた大人達が集まったような、そんな感覚がある。上手く言葉に出来ないけど、少し大きな声で私を呼ぶ送迎バスの運転手さんが、高校時代お世話になった体育の先生に、学科を受ける教室がかつて通った高校の作りに、担当指導員の人が去年まで担任だった先生のノリに似ている。初めて行った場所のはずなのに、一生に一度しか通わないような場所がとても安心するような場所で。2年前姉と弟が行った時には居なかった人達が今居て、それを何かの縁なのだろうか。

それを思う今日は、元彼の誕生日だ。大嫌いな人のはずなのに、もう二度と会いたくない最低なヤツなのに、少しだけ大切な日は覚えている。これにも意味があるのだろうか。