傘にあたる雨音は、線香花火が弾ける音に似ている。

みなと
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そんな事を傘を差して歩いている時にふと思った。そしてそれを形にしようと思った。本来卒業しているはずの先輩が、自分の学年の選択授業を何故か受けている。主人公はその先輩が留年したことを察して驚くや否や「雨音って線香花火が弾ける音に似てるよね」なんて先輩は言い出して、クリぼっちでしょ?なんて言って主人公を冬の海に誘うっていう、なんでもない話。それを卒展に出そうかな〜って思ったけど、上手く纏まらなかったからやめた。タイトルも「雨音と線香花火」っていうそのままのもの。使い方を応用すれば多分なんらかの1シーンに入れることはできるけど、生憎アイデアがないので私の頭の中にしばらく住んでる気がする。

ある人が「雨が降ってると走り出したくなる」と言った。またそれを聞いたその人の知人は「そんなこと思わないけどね」と笑いながら言っていたことを雨が降ると思い出す。上手く言葉に出来ないけど、走り出したくなる感覚は何となく分かる。雨に濡れるという、非日常感。それをしかも走り出すっていう。頭の中にそれを描いても、実際に行動する人はほぼ居ないし、雨に濡れたい・走り出したいっていう衝動を理性という奴でコントロールしている。別にそれが悪いってわけじゃあないけど。

今日も昼から雨が降っていて、ふとベランダに行った時、何故か懐かしいって感じた。それはザーって降ってる雨音かもしれないし、地面に雨音が落ちる音かもしれないし、それは分からないけど懐かしかった。匂いと記憶が結びついてるっていうのは割と本当で、最近よく煙草の煙をなんとなく通りすがりに吸って小学生の頃の運動会を思い出したりしたりしてる。それで感傷に浸ってるって訳でもないけどさ。

最近よくまた海に行きたい衝動に駆られている。でもそう簡単に行ける距離じゃないしやる事あるから後回しにして。でも社会に出たらそんな気分的なことも出来なくなって、自分の感情が殺されていくのかなって思うと怖くなる。純粋で居たいとか、そんな事も忘れちゃうのかな。関係ないけど、手書き日記始めてみたいな。