楽しみにしてたんだよ、

みなと
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今日、自動車学校の仮免に合格した。

前回落ちたから大丈夫かなって不安だったけど、それは私の心配し過ぎだった。試験を受けた教室に戻って説明を受けて、応急救護の予約を取るために受付近くにある椅子に座って待ってたら受付(?)の人が私に近づいて指導員さんが変わったんだということを伝えられた。その新しい指導員は第一段階の時、一度だけ指導してもらった男性だった。

私はその男性指導員に対して少し苦手意識を持っていた。なんというか、どこまでも元彼に似ていたから。今までの指導員の人は優しさという面で元彼に似ていたけれど、次なる指導員の人は距離の詰め方とか話し方とか、そんなところが本当に元彼に似ていて、勝手に苦しくなってる。苦しみを通り越して、運転中の時、笑いを堪えるのに必死だったくらい。元彼のことは嫌いだけど、指導員の人が嫌いっていうことじゃなくて苦手なんだけど、上手く伝わらないな。

第一段階の技能の10時間以内にアンケートを出さなきゃいけなかった。それは今の指導員のままでいいですか?とか変えますか、変えませんかみたいな感じのアンケートだったんだけど、私はそこに変えてくださいとは書いていない。絶対に。そのアンケートに答える前に今日決まった指導員の人と運転はしていて「その人の方が運転上手くできるかもな」って思っていたけど、それを理由に変えるのはなんだか彼の教え方が下手だから変えて欲しいと言っているようなもので、彼を傷つけてしまうと思ったから、私は「このまま今の指導員でもよい」に丸を付けた。これは私の憶測しかないけれど、一度しか運転してない今の指導員との運転を見て、もしくは今までの指導員さんのままでは何かしらの危険が伴う(?)と思ったから自動車学校側から変えましょうってなったのかもしれないし、その真意を私は知ることが出来ない。ただ唯一知れるのは今までの指導員さんと一緒に路上に出て話すことが出来ないということだった。

路上に行くのは世間話をする為じゃなくて、ある意味社会のルールを知る為に出て行くもの。遊びじゃない。でも彼との話す時間は確実に楽しかったから、運転する時間が長くなる分、彼と話す時間も増えると思っていた。だから、その代償で、こんなに落ち込んでいるんだと思う。いや、違う。多分、新しくなった指導員さんがあまりに元彼に似ているから、距離の詰め方が得意じゃないから、彼と一緒に話せたら楽しいんだろうなって思ってただけだ。まさか自動車学校側から「指導員さんが変わる」って伝えられるって思ってなかったから。その事実(元彼と似ているということ)に目を背けたかっただけだ。彼と居れば楽しいから。私と彼を繋ぐ唯一の知り合いで構内でたまたま会った時も「ねぇ、あそこにいるよ」って言って笑い合うことはもうないんだろう。「眠くなってきた」と言って窓を全開にしてスピードを上げた時におもちゃを買ってもらったような子どものように「顔を出せば目が乾燥するから目が覚める」なんて無邪気な顔をして笑う彼の姿も声も、もう見ることも聞くことも出来ないだろうし、でもそういう所が私は好きだった。彼氏でもなんでもないけど、本当に、クラスにいるやんちゃな男の子のイメージピッタリで、本当に一緒にいて楽しかった。だから、自然と成り行きで一緒に路上に出てたくさんの話ができるんだと思ってた。それが出来ないのが、本当に悔しい。なんて言っても、多分校内には居るからすれ違うことはあるんだろうけどね。また何らかの問題(?)で彼になったりしないかな。正直、やっていける気がしないよ。私は今、あなたが私の指導員を外されて落ち込んでいないか、それだけが心配。もしかしたら自分の教え方が下手だったんじゃないかって、そんな事を考えてるんじゃないかって。あなたは見かけによらず、きっと傷つきやすい人だから。人一倍、人の目と意見を気にする、繊細な人だと思っているから。あなたの優しさは、元彼が持ってた優しさに似てるって、私は思ってたよ。あなたが靴を黄色から白に変えていたのは、何か意味があるのかな。違うといいな。

結局、新しい指導員の人とは次回の運転だけ決めて、応急救護の予約を取ることは出来なかった。いや、本当は覚えていたけど言う勇気がなかった。立ってメモを取ればいいものを、わざわざ隣に座って向かい合って話さなくてもいいじゃんって、それだけで頭がいっぱいになっちゃって、距離の詰め方がやっぱり苦手だっていうことを思い出したから、彼を呼び止めること出来なかった。これから先の運転が不安で仕方ない。性格の不一致で変えることは多分出来ないから。耐えるしかないんだろうな。