「やりたい仕事、見つけたんじゃないんですか」
昨日行った、行きつけ程ではないけどふとした時に行こうと思う手相占い屋さんに占ってもらって見てもらった女性に言われた一言。占いは誕生日占いとか色々種類はあるけど、個人的に信憑性があるのは手相占いだと思ってる。憶えたい言葉を思い出そうとする度、記憶が薄れていく性分だから女性がそう訊ねてきたかもあやふやだけど、たぶんそんなことだった。隣に母親が居て、母親自身も知っていたけど言いにくいなぁなんて思いながらも「障がい者の方を支援する施設で働きたかったんですよね」と言うと、その人は「生命線の横にうっすら十字が見えてるんですよ。その人達は福祉系とかの仕事に向いてるんですよ」と私の手相を見ながら伝えてくれた。それ以外にもちゃんと見つけたい仕事を見つけたとか色々言っていたけど、なんて言ったかまでは覚えてない。でも、嬉しかった。
やっぱり福祉系に向いてると言われて思い出すのは中3の時に1年間だけお世話になったスクールカウンセラーの先生だった。私はずっと彼女になりたいって言っていた。恩師に会いに行くのは迷惑だと言われて恩師のことを忘れたと同時に彼女のこともいつの間にか忘れていて、でも臨床心理士の単語を見てそれだけで彼女のことを思い出して、私は誰かを救いたいんだって福祉施設を志望して。それくらい、彼女は私の原動力になっていて。でもやっぱり話すのが苦手だから向いてないよねって言われて、やっぱりそうだよなって腑に落ちる自分もどこかにいて。「やりたい事を仕事にできる人は居ないんだよ」「苦手なことを無理にできるようになろうと仕事にしなくていいんだよ」そう、母親は言っていたけど、血液型と生まれた順番から分かる適正仕事とかMBTI診断の結果とか見ても出てくる仕事は心理カウンセラーで、合ってるのか合わないのか分からなくなっていたけど、どうやら私には合ってるみたいで。純粋に嬉しかった。
私が彼女になりたいのは間違いない。でもあの時救われたと同時にきっと私の夢を与えてくれたのは間違いなく貴女で。そんなことをさっき気が付いて、やっぱり彼女の存在は私の中で本当に大きかったんだと実感する。そんな恩師と同じ立ち位置にいる彼女の事をもう二度と忘れたくないし、出来ることならまた会って沢山のことを話したい。もし会えないとするなら、私が物語という言葉の中で貴女を描いて、みんなに貴女が居たことを伝えるからさ。
少し前、中学卒業後に書いた貴女に向けて書いた詩を見つけて、初めて綺麗だと思った。手探りで書いた言葉も知らない私が書いたものだったけど、空を舞う桜の花びらに込める思いを綺麗に描写したいことはやっぱり今と変わらなくて。それを今の貴女に伝えることが出来たら、私はきっと満足できるんだろうなぁ。
今すぐにでも貴女に会って話し合いたいけど、多分まだその時じゃなくて。すごい時間を掛けてきっと私達はまた会うんだろう。たとえ会えなくとも、私が書いた大切な物語たちを何らかの形で読んでくれたのなら、私はもうそれで満足だから。