見知らぬ街の駅で

霞月つむぐ
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出張先にいる旦那さんから電話がきた。

「少し帰る日が早くなるかもしれない」 

LINEでも良いのに、わざわざ電話をかけてきてくれたのがとても嬉しかった。ほんの、2分10秒という短い電話だったけど。

そして、久しぶりに会う。だけど、かなり早く待ち合わせの駅に着いてしまい、待っている間、時間がとても余ってしまった。ぐるぐると周辺を散策してみたが、なんだか落ち着かない。

"もう少し先まで行ってみよう"  

どこまでいけるかわからないけどいけるとこまでわたしは車を走らせた。途中で電話をかけてみた。

"今どの辺にいるの?"

電波が悪くてうまく聞き取れなかったが、わたしの居場所を伝えたら驚いていることだけはわかった。 

そしてわたしたちは、予定外の駅で再会することになった。

初めて訪れる、見知らぬ土地の駅。どんな風にして再会しようか悩んだ。

隠れていようか?ホームに出て待っている?それとも…?

ウロウロと落ち着かないわたしは、変な目で見られたに違いない。

とりあえずわたしは、椅子に座っていることにした。そしていよいよ列車が到着したけれどなかなか現れない。

"あれ…?寝過ごした??"

心配になったわたしは思わず立ち上がってしまう。

そしたら現れた。あー。。

目が合ってしまった。そしてお互い、照れくさそうにほほえんだ。

@tsumugudays
エッセイ的なものを書いています。