好きです。
中村先生はBL漫画の「同級生」が有名で、そこからお知りになった方も多いと思います。
私も紙の書籍で「同級生」を繰り返し、読んでいます。宝物であり、バイブルです。
ただ、先生を知ったきっかけは、ゴシック&ロリータバイブルという雑誌に載っていた漫画からです。
今は全然オフカジスタイルとか、カジュアル系の服ばっかりを着ている人間ですが、母がL・M・モンゴメリの「赤毛のアン」や、いがらしゆみこ先生の「キャンディ♡キャンディ」を好きな関係でフリルたっぷりの洋服を着せてもらっていました。
ただ、男子顔負けの勝ち気で生意気なやつだわ(今もか)、大人しくしとやかにできないガキンチョだわで、しょっちゅう服を汚して、破って帰ってきていましたね。
その頃はフリルのスカートを着るのが嫌でした。母に怒られるのが怖くてね(笑)
でも、フリルたっぷりの洋服を見るのは大好きでした。で、ロリータ服を知るんです。PEACH-PIT先生の「ローゼンメイデン」のアニメOPを歌っていた「ALI PROJECT」のボーカル・宝野アリカさんのMVで。「聖少女領域」のMVを見た時に「お洋服もアリカさまも、お人形さんも可愛い!」ってもう惚れちゃって。そこからロリータの世界に恋しちゃいましたね。
なかでもクラシカルロリータが好きでした。フリフリふわふわ一昔前のお姫さま・お嬢さまな感じで。
高校時代までは、そんな感じの洋服を結構着てましたね(笑)お金がなくて、それっぽいコーデをしていたというね…
中村先生の漫画で初めて読んだのが、確か…「NOËL」。
少年が幼馴染の女の子の誕生日プレゼントにお花を送ろうと黒い森へ行ったら、不思議な力によって囚われ、一年に一度赤い衣を纏い、会いに行ける。少年は少女の誕生日の夜に必ず誕生日プレゼントを枕元に置いた。
黒い森の時間は現実の世界よりも時が経つスピードが早く、少年は老人になってしまう。
一方少女は女性となり、母親に、縁談を断り続けて少年の帰りを待っていることを指摘される。最終的に少年が老人から男性に戻り、黒い森から開放されるというクリスマスのサンタさんを題材にしたお話です。
ときめきと切なさがすごい! 短いお話だけど、すっごい読み応えがあるの。んでもって、萌が凝縮されているんです。もう読んだときは「すてき!」って感動して、泣いちゃいましたね。
先生の描く女の子のお洋服が可愛くて、女の子のまつ毛に惚れ惚れし、美青年にため息がこぼれ、どんんどん読むようになっていきました。
そんな中村先生の作品で一、二を争って好きなお話は「Jの総て」と「ノケモノと花嫁」です。
「Jの総て」はマリリン・モンローに憧れるJの人生、生涯が描かれている作品です。LGBTQの問題にも関連しているお話でBLやMLでは括れない作品です。
序盤から結構ショッキングだし、かなりヘビーな内容になります。濡れ場も描かれているけど、ラブラブイチャイチャとか萌っていう感じじゃない。それでも鬼気迫るものや胸に訴えかけるものを感じました。
白黒の漫画を読んでいるというよりは、外国の映画を見ているような印象を受けました。
「ノケモノと花嫁」は雑誌KERAに掲載されていた作品になります。
雑誌KERAは現在紙で売られていないのですが、ネットで見ることができます。
幾原邦彦監督とのコラボ作ということで単行本も全部集めましたよ!
地元の書店が次々と閉店になって、入手するのが困難になって大変でした。でも東京とかにお出かけをしに行って本屋さんで紙の本を手に入れて、ホクホクしながら帰るのが楽しみで、しょうがなかったです。
虐待がメインテーマだし、戦闘シーンもあったり。結婚についてや家族についてのシビアな内容を、かわいいお洋服やお人形さんみたいなキャラクターたちのポップなギャグで描いています。
次は誰が表紙を飾るんだろう? いつ出るのかな? ってワクワクしながら読んでいた作品です。
最終的にはどちらも救いがあります。中村先生の「同級生」で感じた、ふんわりと温かな日差しのある日に、窓から吹き込んでくる爽やかで気持ちのいい風みたいな優しさを感じました。
あー…好きを表現するのって難しいな…
しゃべるのが得意な人間ではないので、言葉で表現するのはできないなと思っていたけど、文章で書くのもかなり大変ですね。うまく書けないや。
ただ、私もいつかこういう作品を作りたいなと強く思ったし、先生の描く作品って陳腐な言葉でしか表せないけど「とってもすてきだな」と思っていて、「その作品をまだ見たことないよ。読んだことがないよ」という人たちにも見てほしいな、読んでほしいな、というお話でした。
次は榎田ユウリ先生です!