気にするから余計なことをしてしまう

tuxedocat
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自分がやりがちなこと。神経質で、使っている道具に汚れを発見したら、そのときからずっと気になってしまう。そして、その汚れを落とそうと手元にある洗浄液などを使って拙速に解決しようとする。しかし、材質や処理の組み合わせだったりそもそも思い込みによるミスがたたって、元よりも目立つ欠陥を生じさせてしまうことがある。

救いはその後なんとか復旧できるってことだけど、最初からそんなの気にしなければ余計なことにならなかったのに、ということが多い。

その新たな事例として加わったのは2年前の今頃に購入し愛用しているキーボード、Dygma Raise。グレーリノリウムのデスクに合わせてアルミ地のシルバー筐体と白いキーキャプ・リストレストのバージョンにした。

毎日使うものだから、合皮っぽい素材のリストレストは想像どおり経年劣化で汚れが気になるようになってきたため、それを外してアルミ筐体に手首を置くようにしていた。

しばらくしたとき、いつもならIPAや無水エタノールで清掃するところを、スマホの画面を拭くついでにと、画面用の電解水っぽいクリーナーを使ってリストレスト部分を拭いた。その日しばらくたってから見てみると、拭いた部分が白く曇ってしまっていた。

その部分をエタノールで拭いても変わらず、どうもこれは酸化じゃないかと疑い、アルミの白サビを取る酸性の洗浄液を買ってみた。だがこのアルミ用洗浄液が最悪だった。いや、現象や機序を勘違いしていた自分のせいだけど。

このキーボードの筐体のアルミにコーティングがしてあったからなのか、それとも対象とする現象が違ったのか、結局元よりもひどいことになってしまった。リストレスト部分が全体的に、しかし境界部分ははっきりと、白く曇ってしまい、触った感じも元のつるんとした質感ではなくなってしまった。

この手の失敗をするといつもそうだが、こうなると対象への愛着が急速に消失する。今回もそうなってしまい、DygmaのBlogで発表されたばかりの後継機Raise2を注文しようかと思ったぐらいだったが、Raise2の初回ロットはまだまだ先のようだったから冷静になれた。購入後2年経ってもこれだけ都合が良いキーボードは他に現れていない。

結局のところ研磨するしかないとあきらめて、#240のペーパーで水研ぎした。アルミ筐体だからできる対処法なのかもしれない。

ホットスワップスイッチだったので、研磨箇所周辺のキーキャップとスイッチを取り除いてマスキングテープを貼る作業も楽だった。

いっそ全体加工してしまおうかと思った瞬間もあったが、親指キー周辺以外のスイッチも全て外してマスキングして、という工程を思うとまた冷静になれた。

元より売却する予定はなかったものの、これで完全に自分のものとして最後まで使わないといけなくなった。とはいえ、これまでの事例のなかでも元の製品が良かったからなのか、こういう失敗をしてもなお現状最高のキーボードとしての心の中での地位は変わらないし、大事にメンテナンスして使っていこうと思える。なんなら、もっとカスタムしてもいいんじゃないかな(発狂)。

@tuxedocat
undercat diary: 猫たちとの暮らし、擬態する社会性、京都の街。