4月の半ば、刺繍キットを買った。舶来ですぐには届かなそうとか、布ものは某害虫が怖いとかあるが良い図案だった。密林の深くにあるそのキットは様々な写真や絵画からドット絵をおこしている。正直、権利的に不安のある図案もある。しかしこのキットは刺繍枠以外の全てが揃っているし、（刺繍糸は高い！）針とハサミはなんとかなる。とにかく、密林経由の海外輸入は先送りすると消えてしまうこともあるので気に入ったら押すしかない。
図案がドット絵なのは、刺繍で××××とクロス状に刺していくのでクロスステッチと呼ばれる技法ですべて完成させるからだ。そして今回の生地はクロスステッチ用の方眼状にちょっとずつ隙間を残して織られた生地。この隙間をガイドにバッテンを縫っていく。さらに！何色の糸をどこに何目縫えばいいか生地に直接プリントしてある！
小学校の手芸クラブで触れた時とは大違いだ！！見本のドット絵と手元の布目を反復横跳びする疲労感から解放された。私は整列したものが3以上数えられない。あと何の絵が出来上がるか色が分散して分かりにくいのも達成感増しで良い。もちろんこれも目が痛い、バッテンの隙間から透けるなどデメリットはある。しかしもう考えるのはプリントズレ確認とどう通ってバッテンコンボを繋ぐかである。
30色の刺繍糸がこんなに集まるなんて…縫ったら色差もわからないような糸がたくさん…糸を番号と付き合わせて引っ掛けとくシートが60まであるから…また30色なのは初心者向けかもしれない。あともっと目の細かいキットもあるらしい。今回やるものは細かくないほう。
浮かれているので何にもなれない毛糸をピンクッションにした。中身は捨てるに惜しい長さの毛糸が詰まっている。ステゴサウルスのトゲを作る時のテクニックが役立った。手前の金属片はニードルスレイダー（糸通し）これがなかなか使い心地がよく、刺繍針は糸通しの穴が細長いので、針に薄い金属片を通して糸をかけてひっぱる。よく知る女性の横顔がつまみの針金で引っ張るものより、何本も針に糸を通す刺繍向きなギアだ。もちろん編み物の始末にも活躍しそうだ。
今のところ気が済むまで刺繍、編み物が呼んでたら編み物……仕上がったらサークルの前にかけたい……