今日は外出していて、これからギャラリーと展示即売会をハシゴする。
早くコートを仕舞いたいのに、今季はずっと、古着のミカレディのロングコートを飽きるほど着ている。今日は占い関連の即売会だから、パメオポーズのピアス(女教皇の白黒柱の形で素晴らしいモチーフ)に、ラベルエチュードの紫色のニットワンピを着ている。このワンピは丈が長く首周りも暖かく、袖がふっくらしていてクリムト(本人やモデルが着ていそう)っぽい。前に人形教室に着て行ったら、龍さんから「いらなくなったら譲って」と言われた。龍さんは171センチで、このゆったりしたデザインならサイズも大丈夫そうだし、龍さんのほうが似合うと思う。私が着るとおっきなスモッグみたいで締まりがない。ベルトがないと収まりが悪い。
家を出る前に香水を選んだが、なんとなくジョーマローンのポメグラネート・ノアールにした。(ちょうど新刊の「すみせごの贄」を購入したタイミングなので、表紙の柘榴のせいかも。)柘榴は食べ物として好きだけど、香りになっても美味しい感じがする。この香水はたしかトップにルバーブとスイカがいて、おそらく柘榴の種をしゃぶった瞬間の瑞々しさを表現していると思われるが、あいにく私は瓜系の水っぽい香りは寒々しくて苦手だった。ミドル意向は秋冬にぴったりな落ち着きがあり、その香りは友人からも好評だけども……
水っぽさと酸味を嗅ぎたいタイミングは中々ないのだけど、それでもこの香りはお気に入りで、今日の気候にはぴったりだった。
好きな香水にはベストタイミングがあって、それはファッションやシーンに合わせる以上に季節が重要だと思う。ポメグラネート・ノアールに適切な時期は迷っていたが(夏につけるとミドル以降が重く、冬場はトップが肌寒い)、まさに今日みたいな、春の初めなのに雲が厚く雨が降りそうで風が冷たい日かもしれない。水っぽさが空気に馴染み、それでいて甘酸っぱい柘榴が華やかで、つけてから2時間半が経っているがラストまで残ってくれそうな感じがする。
いま徒歩で移動しているが、途中にトルコ料理屋があるみたいで、もしメニューにあれば柘榴のジュースが飲みたくなってきた。