
うろん神よ、いまおまえさんの頭上にいるのはねこ先生だ。
ねこは先生だから、というのは連れの口癖で、ねこの佇まいや在り方を生き物の理想としてリスペクトしているという意味でよく使っている。この陶器製のねこ先生は、その昔私の誕生日プレゼントだった。当時、中目黒あたりに温故知新というブロカント屋があって(私ものちに鏡やカーテンをこの店で買った。カーテンは現在うろんの飛び乗り道具としても活躍中。大船に移転後閉業。我々の好きなテイストだった)連れがピンときて買ったものだが、当時は私の部屋に置き場がないし「なんでこれを?」という感じだったので、その後しばらく連れの家にねこ先生は鎮座していた。ねこ先生という名前はいつのまにかついていて、ねこ先生と呼び続けることで存在感が徐々に増していった。地震のときは真っ先にねこ先生が割れないよう注視するか抱き抱えるかしていて、もし割れてしまったら金継ぎをするつもりでいる。ねこの偶像崇拝状態だったのだ。うろんがねこ先生(うろんにとってはねこ先輩かなあ)を割ってしまわないか、若干心配。なぜならねこ先生が座っているスピーカーで爪研ぎを始めたから……
うろんは歩行するポーズのまま4本の脚すべてでジャンプするクセがついた。びっくりしているのか、威嚇しているのか、テンションが高いからなのかはその時々で違う。スキップみたいなものかもしれない。これが噂のやんのかステップだ!今夜も2階を駆け巡り、私の部屋を探索され、寝る時にベッドを占領されて私もうろん並みに細長い形になる羽目になった。うろんは我々眠るニンゲンの間でにゅるんと細長いフォームになりながらニンゲンの顔を覗きこんでいた。深夜、うろんは連れの脚の間でチェーンソー化したため、ケージにお帰り頂いたそうだ。
7月12日

今日はbug-depayseのワークショップで、連れともども家を空けねばならぬ。うろんは初めての日中お留守番で、私は昼メシをあげたあとに家を出る。9時間ほど耐え抜いたんじゃなかろうか。帰るなり、遅えぞ!のクレームが飛び、けっきょく2階の寝室まで来てで朝まで寝た(私はソファで気を失う)
うろんはやんのかステップを踏むようになった。脚も長くなったし、脚の付け根の筋肉がモリモリ発達してきているのでジャンプ力と持久力も増した。長時間遊ばないと大変だ。やんのかステップは鏡に向かって威嚇し始めたのが発祥だけど、走ったり蜂おもちゃとじゃれてる時もステップが混入してくる。鏡みながらフォームを研究してるさまを見ると、ねこに職業があるならうろんはダンサーだなぁ、飼い主のニンゲンと真逆のフィジカルさだなぁ、と感心している。残念ながら、やんのかステップは動画におさめるのが難しい。あれはナマでみると笑えてくる。
うろんがいるとなると、あまり頻繁に家を空けるのは気が引ける。出不精に拍車がかかるが、それで良いんじゃないかと思う。先日Xでは仕事を断れポストをしたが、リスク管理という点でもだし、己のキャパ(忙しすぎて手が回ってなくないか?仕事が雑にならないか?体調管理は大丈夫か?)にも向き合って依頼を間引くほうが長い目で見ればwinwinだし、「断られる側」の振る舞いはすんなよな、という気持ちもある。これは自戒でもある。誰でもいいタイプの依頼、無報酬かそれと同等の依頼を受けて、うろんとの時間、自分のインドアでできる作業や休息を削られたくない。面白くて有意義なものなら飛びつく。自分に正直になって選択の主導権を保持してゆきたい。私も、依頼時にはご厚意に甘え過ぎてはいけないのだ。
このトピックについては周囲で「ふざけんな」と言いたいことが多すぎる。私のポストで50人ほどいいねがついているが、「お前は断られる側の人間だろ」「あなたは節操なく共演してる側よね?」という人がいて、なんのつもりだろうと思う。嫌味のひとつくらい言いたくなる。ふ〜ざ〜け〜る〜な〜