カナダに来て1年、ずっとサッカーをやっている。シーズン中は毎週末(90分の)試合と、週に1度のチーム練習もある。齢30そこそこにして、平日の脳内シェアの3割は「今週末はスタメンに入れるかどうか」である。
(サッカーもrain or shine、土砂降りでもやります。普通に不快)
小学校のときに月並みにサッカーは習い事としてやっていて、結構熱心に取り組んでいたとは思う。けれど割と自分なりには頑張った割には大してうまくならんな、と思い中学ではやめた。以来、社会人になってフットサルに誘われて参加することはあれど、サッカーをすることは殆どなかった。
サッカーをやりたいと思ったきっかけは2022年W杯。普段はサッカー観戦をすることもないが、4年ごとのW杯になるとにわかに盛り上がるミーハーだったのだが、なぜか今回はスペイン戦・ドイツ戦の感動を経て、「もっと観たい!」でなく「俺もやりたい!空いたスペースに走り込みたい!」という思いが芽生えた。
とはいえ東京でサッカーをする場所がたくさんあるわけもなく、代々木公園のサッカーコートを必死で抽選予約して、会社や友人を集めてやるとか、せいぜい数回やったくらいだった。バンクーバーでは、ドロップインで参加できる草サッカーや、社会人リーグが結構たくさんある。来たときはやることも大してないので、積極的にfacebookグループなどで探して、多分カナダについて1ヶ月前後くらいで社会人リーグのチームに入った。
ちゃんとサッカーをやっていたのが20年近く前なので、そもそもポジションが何だったかもよくわかってなく、「空いてるスペースに走り込めそうなサイドハーフ(ウィング)」という雑な感じでウィングをやっている。とにかく最初はポジショニングがわからなかった。サイドハーフは半分はとりあえず(エンドラインで)埋まっているのでとりあえず体力をレバレッジして前後に走りまくるやつをやってた。「サッカーIQ」みたいに聞くけど、そこそこ賢いと思ってたのに全然頭悪くない俺?!どうやって使うの頭?!!となっていた。
1年やって、未だによくわからんと思いつつ、監督の方針とか、周りに言われたことを聞きながらなんとなくは場所取りが改善してきたんじゃないかと思う。あと、一応今回はこれがこうだったなとか、1つでも2つでも思い出して振り返るシーンが出てきた。以前は「疲れた〜」「勝ってよかった〜」などで以上って感じだったので。下手なりにも続けていると、少しずつ解像度は上がってくものなのだなァと思う。冒頭に3割はスタメンのこと考えていると書いたが、あながち誇張でもなく結構考えてたりするので、「勝手な遊びで一喜一憂したり心が揺れ動くのはこの年してどうなんだ??」と相方に相談したこともある。「別にいいんじゃない?勝手にしたら?」という有り難い御言葉を頂戴したので、今はいい運動になるし1回あたりのコストで考えると大したことないからいっか、という思いに至っている。
自分なりのポジショニングの学びで言えば、ボールを持ってるときがすべてじゃないということかなと思う。ボールを持ってないときや結果自分がボールを奪うことができなくとも、プレッシャーをかけることで相手の足止めに繋がり味方が自陣に戻る時間を稼げるとか、目立つドリブルやアシストの手前でボールを安定して繋ぐことが大事とか。結局90分やっても、フィールドには20人いるので、合計ボールを触っている時間は数分かもしれない。なので、それ以外の時間の動きというのも意味があるし、それはそれで感謝されるんだなと思った(自分は一点突破とかの技術がないので)。