最近、ツイッターを見る時間が減っている。たぶん。多少。
特に意識しているわけでもないし、強いて理由をあげるならば、両手が塞がる趣味を生活に取り入れ始めたからかもしれないし、来週末にある資格試験のために、少しだけ勉強時間を増やしているのもあるかもしれない。でもスクリーンタイムを見るとそんなに変わっていないような気もするので、気のせいかもしれない。
ひとつ、改めて気付いたことがある。ツイッターは本来自分が持っていない、持っていたとしても受け流せる程度のちいさな感情を喚起して、増幅させてしまう装置になってしまった。前からそうだったと思う。けど、最近はよりひどい。滅多に見ないトレンドとか、バズっているツイートの引用欄を見て、みんな何に対してそんなに怒っているのだろうと思って少し引いてしまうのを今週だけで何度かやった。
インプレッションゾンビなる概念が話題になっているが、私だけでなくフォローしている人たちのツイートにも、鍵リプやら鍵引用やらが無限に沸くようになってしまった。これからの未来、ツイッターは不健全さを増していくばかりで、明日のことを考えるためのツールにはもう二度となりえないのかもしれない。
私がトランスジェンダーをはじめとしたクィアに対する社会状況に関心を持っていて、今の社会の在り方を問題視しているのは、もしかするとRTを見ているフォロワーは既にご存知かもしれない。もう8年近くは経つかもしれないが、このことに関心を持ち始めてからずっとインターネットを中心に情報を集めていた。だがネット上でのトランスジェンダーへのバッシングが苛烈する中で、生身の人間と喋るべきなのではないかと思って今年の春から勉強会のようなものに参加するようになった。リアルだからこそ都合がつかなくて、あまり参加できない日も多いけれど、実際に人と会って話すことの必要性を改めて感じるようになった。インターネットは楽だけど、楽すぎる。
先週末には、ツイッターで募集されていたトランスジェンダー当事者とアライのためのゆるい集まりに参加した。先述の勉強会は学内のものだから、まったく知らない見ず知らずの人たちと会うのは初めてで緊張したが、ただ集まってゆるく過ごした時間は居心地がよかった。特別なにかを話したわけでもなく、ただみんなで同じ時間を過ごすこと、いつでも来ていつでも去れること、お互いの権利が保障されていること、ただそれだけだったと思う。
こうしてインターネットから離れるのも、インターネットの邪悪さから逃げるだけで直接の解決策にはならないけれど、人間と社会のことを諦めないために必要だろう。私はインターネットのことがわりと好きだし、まだ完全には諦めていない。嗜好の半分はインターネットから生まれたもので構成されている。生まれたときからインターネットが存在し普及していた世代だし。でも、もうツイッターはダメかもしれないな。わからない。
そして、少し前からやりたいことがある。
事務所の問題が話題になりはじめたときから、自分のブログの過去記事をこのままでは置いておけないなと思うことが増えていた。ある意味ではオタクの語りは「彼」が如何に権威を持っていたのかの証明だし、この日本の男性アイドル文化を語る上でもひとつの語りとして価値があるかもしれない。みんながみんな、消す必要がある記録だとは思わない。ただ、これからもずっとインターネットに置いておくには、私の心に難しさが生まれてきてしまう。
だから、過去記事の一部を非公開することにした。どれをどうするのかはまだ決めていない。4年間で40本以上書いてきた。これから時間のあるときにひとつずつ読み返して検討していく。中には修正して再公開するものもあるだろうし、ずっと非公開のままのものも出てくるかもしれない。
そうして非公開にしたものをどうしたいか考えて、紙にして残そうと思った。これはこれで私にとっては必要な記憶だと考えている。私は忘れっぽいから、消して読めなくなったらそのまま忘れてしまうかもしれない。良いことも、悪いことも、忘れない為に残しておきたい。
ZINEをつくる。テーマは、〈明日のためのアイドル論〉。過去記事だけでなく、今思うことを書き下ろして構成したい。分断が深まっていく世界で踏みとどまるために、文章を書きたいと思う。すべての人の明日のために。
しばらくは作業に手をつけられそうにないので、実際に行動し始めるのがいつになるかは分からないけれど、この文章はとりあえずそういう意思があるという表明です。私の文章に興味のある人がどれだけいるのかは分からないが、もし欲しい人がいたら何らかの形で頒布も考えている。誰もいなかったら、書き下ろした文章はそのうちひっそりインターネットに公開するかもしれないが。
ZINEについてはまた、このしずかなインターネットでお知らせしたいと思っている。ので、よければニュースレターで購読してみてください。
以上、日記でした。