初のライブは年内最前列。

嵯峨野ukichi
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公開:2023/12/27

30年以上生きてきて、もうそろそろ新しいアーティストにハマることも減ってくるよな〜と思っていたここ数年だったのだが、人生はわかりませんね。

ここにきてファンクラブに新規加入をするなんてさ。

そんなわけでいってきました。

ずっと真夜中でいいのに。原始五年巡回公演「喫茶・愛のペガサス」 追加公演@東京ガーデンシアター。

正直音楽自体は結構前から聴いていたんだけど、なかなかライブのイメージもなく、機会もなかったというのが現実で。

たまたまWOWWOWで見たライブ映像に大変感銘を受けて、これは絶対に行かねばならぬと思ったのが今年の夏の話だったと思う。

調べたときには私は田村ゆかりさんのツアーで全国を津々浦々している最中だったのだが、どうやらずとまよ。さんもなかなかヘビーなツアーを敢行しているようだった。30公演以上もやってる。なかなかにおかしいな。

スケジュール的にも追加公演が発表され、今FCに入ればちょうど先行に応募できるよ〜というタイミングで。

まぁ、入るよね。FCはチケット先行のためのものだと思いこんでいるので。

これは経験則の話だが、FC加入直後の先行はまず当たると思っている。(そしてそれなりにいい席が割り当てられるような気がする)

えーい!せっかくならプレミアム席!と思って応募したら見事に当選。

東京ガーデンシアターはゆかりさんのライブで何度か行ったことがあるんだけど、記憶にあるかぎり、毎度バルコニー席だった気がしているので、ちゃんとアリーナで見れるのは初めてだなとわくわくして当日を待つことに。

長らくいろんなバンドやアーティストのライブに参戦してきたが、ここまで運営のホスピタリティがきちんとしている運営は久々に見たな、という感じがしたので記録しておく。

まずはグッズ物販。事前通販はもちろんだけど、会場受け取りが大変スムーズで良かった。グッズ品数が多いし、いろんな買い方選べるのはいいですね。あと単純にグッズのセンスが良くていい。ACAねさんのこだわりを感じる。ガチャの品からノベルティまで一貫した世界観を貫いているのは本当に素敵よね。うにぐりくん、かわいい。

余裕があれば直前まで受け取り時間も調整できるうえに、東京に関しては物販販売と完全に別の場所に引き取りカウンターを設置していてひとの分散ができており、かつその引き取りも大変スムーズ。よくできたシステムだと思う。他のデカモノ物販とかやる現場でも採用してほしい。

あとFC限定、ライブ会場プレゼントグッズ。これは他にもやってるところがあるけど、このクリアファイルとステッカーっていうのはいいよな〜と思った。(冒頭の写真に写っているものがそう)

これはFCカウンターで、FCページログインした状態でQRコードを読み込むことでスマホの画面に時限制の引換券が表示されるシステムなんだけど、わかりやすいし、あとどうやらこのページにアクセスすることで、会員ページにライブ参戦スタンプが押印されるそうな。

FCページでいつでも自分が参戦した戦歴が表示できるのはめちゃくちゃいいと思う。どうやらスタンプ画像も毎回ちゃんと違うみたい。デジタルスタンプラリーはゆかりさんのところでもやってたけど、電子チケになってしまった今だからこそ面白い試みだと思うので、他にもツアーとかでライブ乱発しがちな界隈にはぜひとも導入してほしいアミューズメントだ。

閑話休題。

意気揚々と初ライブのくせにプレミアム席を申し込んだのだが、困ったことが発生する。ずとまよ。さんのライブはステージ全体の装飾が大変凝っており、バンドメンバーの一挙手一投足も大変見ごたえがあること、そしてステージサイドに表示されるモニターにしゃもじノリ指示がでるとのことだったのだが、下手にプレミアム席だと前すぎて見えないのではないか?と。

初回は後方で様子見をするべきだったかもしれない、と今更日和はじめたが、まぁ端っことかであれば周りの邪魔にならなければ怒られないだろうし、前のひとの振りを真似してればなんとかなるだろうと自分をごまかして当日を迎えた。

そして迎えた当日、正直一番想定外のことが発生する。

座席が最前列だったのである。

これには流石にビビった。いい席がくるかもしれないとは思っていたが、初で最前を引き当てるとは……。位置はかなり上手のほうで、正直ステージはあまり見えないし、例のしゃもじ指示のモニタもほとんど見えない。これはもう雰囲気で楽しむしかないが、一番の懸念は、メインスピーカーの真正面であることだった。

これだけライブに頻繁に行っているのに情けない話だが、ここ近年はどんな規模のライブであってもライブ用耳栓をつけなければいけない身になってしまっており、正直この距離だとライブ用の耳栓をつけていてもどうなるかわからない。

何なら他の観客もなかなかキツい思いをするのではないかと思ってしまったのだが、開演前にスタッフが最前列にふらっと現れ、なにかを手渡していく。流れで受け取ってみると、耳栓だった。

これには驚いた。ライブ来場へのアナウンスとして耳栓してもOK!と書いてはあったものの、わざわざ耳栓を配ってくれるアーティストは初めてみた。いろんな観客に配慮が行き届いている。すごい。

そしてもうひとつ。しゃもじ販売員にも驚いた。しゃもじとライトだけをビールの売り子のごとく売り歩いていた。これ、本当にオタク現場でもやってほしい。ペンライトだけがほしいひと、絶対にいるだろ。

しゃもじライトの点灯チェックをして開演を待つ。こんなに緊張する開演前、久々だ。

そして始まる、喫茶・愛のペガサス。

本当に良かった。ずっとワクワクが続いて、ずっとゆらゆらと楽しくて、ときどき切なくて。令和だというのに漂う哀愁の香りに酔いながらしゃもじを振る。

細く儚い姿からは想像もできないエネルギッシュな歌唱。言葉少ななMC。

がんばらなきゃいけないけどがんばれないとき、前向きになりたくてもなれないとき、いろんなつらいこともある。それでも大丈夫だと。強く生き、この世界で戦うために飯をよそい続けようと力強く告げるACAねさんはカッコよかった。

2023年は、本当にいろいろなことがあって、特に秋から年末にかけては生きる気力を奪われることが多く。どうしても気持ちが追いつかなくて、身動きが取れない時間がとても長くなってしまっていた。

あのMCは私にとって、大きな救いだった。いつもならもっと斜に構えるものなのだけど、珍しくダイレクトに受け取ることができた。ありがとう。

この恩はまた来年からアーティストに返していかなければ、と姿勢を正して歩く帰り道は、ちょっとだけ足が軽かった。

@ukichi404
声優、ソシャゲ、音楽、日常の書き散らし。