会社の転勤命令により、私もめでたく引越しが決まった。めでたいのか?めでたいとしよう。早くここから引っ越したいよう……とは思ってたし……
三月末の転居予定。引越し業者が速攻埋まるのは予想ができていたので、私に出来る最速で思い浮かぶ全ての引越し業者に連絡した。結果は1社以外全て「無理です」。早くない!?
今日、その唯一の1社がうちに見積もりに来た。なるべく急いで退勤したけど約束時間に微妙に間に合わず、業者の人がすごすご……と共同玄関から出てきたところに帰宅した私がかちあった。
「お待たせしてしまいすみません!見積もり予約してた○○です!」「あっ、急がせてしまってすみません!○○です!」
ペコペコしつつ二人で私の部屋の階まで上る。
「猫いるんですけど……」「あ、全然大丈夫です」
二人で家の中に入る。猫お気に入りのとんぼのおもちゃが玄関先にぽとりと落ちているが、猫の姿なし。いつもなら出迎えてくれるのに。
その後、業者が家中見回って見積もり計算している間にも、猫は一切姿を見せなかった。業者の帰宅後に家中探し回ると、クローゼットの洋服の奥の奥にちんまり丸くなっている。病院に連れていかれるのが嫌な時に隠れる場所だ!
「なに、そんなに怖かったの?平気だよ、何もしないよ」
「……」
「大丈夫だよ、おいで」
「……」
出てくる気配がない。一度抱っこして引きずりだしては見たものの、猫は終始落ち着きがなく、部屋中あちこちキョロキョロして、私が立ち上がってどこかへ移動するたびに逃げるようにクローゼットへ向かっていた。様子がおかしい。
「ねこちゃん、ごはんだよ」
「……」
「何もしないよ」
「……」
30分ほど放置しているうちに少しづつ顔を出すようになったが、ひゃうひゃうと鳴いては玄関先に向かい、私が近寄ると逃げる。なんなの!?あの引越し業者に何かいじわるでもされた?私が帰宅する前、一足先に着いてたあいつに……
ともあれ送別会第一回ということで酒を飲んできた。内臓が終わっている。二日酔いとかの次元じゃなく、私の体がもう酒を受け付けなくなっていることが本当に、苦しいくらい、わかる。飲むべきではないのだ。飲むべきではないけど、酒はすき……でもやめないと本当に、そのうち死ぬかも
とりとめもない話、以上