毎年2月になる度に「恵方巻きは一部の地域の慣習に過ぎなかったのに企業のキャンペーンに押し上げられて定着しただけの行事!日本全体の伝統行事なんてもんじゃない!」という話をし続けるインターネットを、これからも永遠に、見続ける。
数年前までその論争の矛先は主にバレンタインだったのに、気付けば恵方巻きが猛烈な勢いで追いついていた。今更「恵方巻きは伝統じゃない」「バレンタインをこんなイベントにしてるのは日本だけ」と言われて新鮮に「へー!そうだったんだ!」となる人いるのかよと思う。いるから話題になっている。大企業に踊らされている我々!に怒っている人も、いる。
伝統がどうだ大企業のゴリ押しが〜はどうでもよくて、そもそもそれ以前に、節分がなんなのかを私はよくわかっていない。
恵方巻きが「毎年誰かがいつの間にか決めてるめでたい方角を向きながら太い海苔巻き一本を無言で食べきる」って行事として通ってるのはたしかによくわからないけど、特にインターネッターの槍玉にもあがらず公式伝統行事として見なされている「鬼を追い出すために豆を撒く」だって、正味よくわからない。節分とは?なぜ2月3日?なんでこの日に鬼をよける?福を呼ぶ?私は「この時期は寒すぎて朝に布団の中で死んでいる人がよく見つかるので、寒さからの死を鬼とたとえて遠ざけていた」説を推します。なぜならさっき外出たら寒すぎて全身の筋肉固まって死ぬかと思ったから。現代の防寒でこれなら昔は寒さ=命を奪う鬼で然り。
行事なんてとりあえず楽しんでうまいもの食うだけでいい、それ以外の理由はあと。ニコニコしてれば健康だし、行事だからと人が集まるうちに関係性ができれば普段助け合えるし、日々は苦しくとも「今日くらいはね!」と理由をつけて贅沢品を口にする日だって必要だったはず。今がずっと裕福なだけで、昔はそうして生きていたんでしょう。民俗学的な話はわからないので適当言っています。
縁起とかでいえば、我が家はおせちも出なかったから、おせちがどういうダジャレで新年の福を願っているのかも全然知らない。数の子が子宝祈願みたいな話はなんとなく知っている。小さい頃、それを聞いて「子宝て」と思ってちょっとキモかったから数の子に手をつけなかった時期がある。冬至とか夏至も、日照時間の長さによってそう呼ぶ日があることは知ってたけど、「ゆず湯に入る」とかの文化は大人になってからもしばらく知らなかった。果物の皮が入った大量のお湯に浸かるなんて、贅沢だよな〜。
全然関係ないけど、クリスマスのシュトーレンとアドベントカレンダーってここ3年くらいで急に出てきてない?「そんな、皆、急に……」「アドベントカレンダー売ってるところ、見たことないんだが」という戸惑いを抱えています。すごくオシャレだし美味しそうだから来年、あ、今年か。取り入れよっと。