うき
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公開:2024/6/13

起きたら、猫が私の肩の横に座ってカーテンの閉じられた窓の方を見ていた。少し前に一瞬目が覚めたときにはぐるっと丸まって寝ていたはずなのに。私が時計を見るために体を動かすと、猫が振り返って私の顔を見る。飼い主はまだ起き上がる気がないらしいとわかったのか、再び窓の方へ向き直して、それからじっと動かない。

猫の名前を呼ぶ。しっぽが一度だけ左右に揺れるけど、顔はまっすぐ窓の方を向いている。遮光強め、風に揺れるわけでもない、うっすら灰色に透けるカーテンをじっとじっと見つめている。

猫、何考えてそこを見てるのかな。私が起きるの待ってるのかな。

「そろそろ起きる?」

猫が振り返ってゆっくりと一回瞬きをした。猫の瞬きは肯定の合図。おきよっか~、休みとはいえダラダラしすぎてもね、とベッドから立ち上がる。猫もベッドから降りて私の後についてくる。私が台所で水を飲んでいると、猫もトコトコと自分の水入れの方に行って水を飲んでいた。お前人間みたいだなあ。

ある日の朝/下書き供養