Kagiをお試しで使ってみている。長らく検索エンジンにもとめていた機能が入っているため、もっともっとこの方向性で進化してほしいと思っている。
ここ数年は DuckDuckGo をメインの検索エンジンとして使っていた。一番気に入っている機能は、リージョンの切り替えが簡単にできることである。日本を対象にした検索だとイマイチな検索結果しかでないことは結構ある。そのような場合 US を対象に検索するわけだが、DuckDuckGo ではその切り替えが検索ページからボタン一つで行える。Google の場合、設定の奥深くに潜らないといけない。US Google で検索するような検索エンジンをブラウザに設定することはできたと思うが、面倒だ。他に、プライバシー面や、No.1 の Google を使いたくないという気持ち的な理由もある。
しかし DuckDuckGo にも、私が検索エンジンに求めている機能があるわけではない。その機能とは、ユーザーが指定したサイトだけを検索する機能である。しょうもないアフィリエイトサイトや英語のドキュメントを機械翻訳しただけのサイトは、そもそも結果に出さなくてよい。Block or Highlight Search Engine Results という拡張機能でドメインごとにブロックしているので、最低限それでもいいのだが、用途に応じてホワイトリストを使い分けるほうが良い場面も多いのではないかと考えていた。(ちなみに、ドメインごとにブロックしたり優先度をユーザーが設定する機能も Kagi には組み込まれているので、そのための拡張機能は不要である。)
例えば、私は Bitcoin について調べることが多い。想像できると思うが、Bitcoin に関するページはいわゆるアフィリエイト系や投資系のページが大量にある。そして多くの人が求めるのはそのようなサイトなのだろう、検索結果の上位はそのような記事が占める。しかしそのようなサイトは私にとっては無価値であり、もっと技術的なページが結果の上位に出てきてほしい。このようなときに、私がすでに価値があるとわかっているサイトだけを検索する機能がほしいのである。
Bitcoin の場合、技術的な観点から有用なリソースだけを検索できる Bitcoin Search というサービスがあるので、求めていることは達成できる。しかしこれを検索エンジンレベルでやるように進化してほしいのである。
日本語では知禅もホワイトリスト方式だが、ユーザーがリストを作れるわけではない。
RSS リーダーを使って、自分が購読しているページだけを検索すればよいとも考えたが、RSS リーダーの検索機能は、検索エンジンの検索力には全く届いていおらず使い物にならなかった。
Kagi はこれを一部実現している。Lenses という機能があり、機能としてはまさに欲しかったものである。デフォルトで作成されている Lense(ホワイトリスト)以外にユーザーが作成する Lense は、含められるドメインが10個と制限があるのなど柔軟ではないが、方向性としては求めていたものである。
Kagi のもう一つの特徴はエンドユーザーから直接お金をもらうことだろう。Kagi の基本的な方向性は、DuckDuckGo と同様にプライバシー重視である。DuckDuckGo はそれでも広告モデルを採用して結構な収益を上げているようなので、このアプローチの違いは面白い。Sergey Brin さんと Lawrence Page さんが、当時から広告に依存する検索エンジンの問題点を認識していたという話も紹介せれている。Kagi の主張は、DuckDuckGo の方式では、プライバシーは守れても、検索結果にはバイアスがかかる可能性が高いだろう、ということだろう。
お金を払って使い続けるかはわからないが、しばらく試してみる。