小学生の頃、そろばん教室に通っていた。2級までしか行かなかったので恥ずかしいのであまり人には言ったことがない。大学の頃、同級生で10段までいった子がいたのだ。
小学校何年生かは定かではないが、ある期間に地元の進学校の高校の女生徒がひとり、そろばんの計算の正誤をつけるアルバイトの子がいた。小学生のわたしから見ればお姉さんである。
その女生徒は頬が艶々と健康的にふっくらとして輝いていた。採点されている最中、わたしはよくその頬に触ってみたいと考えていたのを覚えている。とにかく、柔らかそうで艶やかだった。そろばんの問題の難易度よりそのことの方が鮮明に覚えている。