4月6日

ウメヤ
·

 東京に越してきたTさんから家具の組み立てを手伝って欲しいと頼まれ、めったに使わない西武新宿線に乗って行った。大学の先輩で、卒業後地元に帰って働いていたので二度目の上京になる。駅前のスーパーで引越し祝いのプレモル6缶を買った。半年ぶりに会ったTさんは元気そうだったが帽子から靴までほぼ全身アースカラーをまとっていた。

 ダンボールだらけの狭い部屋でベッドを組み立てる。説明書を見ながら木の枠をねじで繋いでいく。これ家族でやるとなんでか喧嘩しちゃうんですよねえ。長方形の枠の形がやっと見えてきたところで、頭側のボードと枠を繋げる部分の片側がねじを差し込んでも回っていかない。穴を見てみるとねじを受ける溝がないただの穴になっていた。反対側はちゃんと溝がある。不良品だ。証拠写真を撮ってねじを全て外して開封前の状態に戻した。これでTさんは三日連続、おそらく1週間近くベッドなしで寝ることが決まった。交換や返金の連絡や配送はだるいし普通にベッドがないのは辛いだろうけれど、二人だとこういうハプニングはおいしい。業者を悪者にしてなんだよこれめんどくせえなあと盛り上がった。

 気分転換に外でラーメンを食べて、戻ってデスクを組み立て(こちらは問題なく組み上がってほっとした)、吉祥寺まで行ってシャワーカーテンや洗濯物かごなどの生活用品を見た。Tさんが半袖しか持ってきていないと言うのでユニクロにも行く。が、ラグビー仕込みの体格の良さでまったく似合わない。肩と胸が大きいからかシャツの袖が足りなくなり変なところに皺ができてしまう。鏡を見て本人も苦笑している。万事こうなるのでいつもどこでどんな服を買えばいいのかわからないらしい。ワンサイズ上げてもアンバランスさは変わらない。なんとかできないかと頭をフル回転させ、もしかしてと新宿まで移動してGAPで試着させる。ばっちり似合っていた。ユニクロの日本人向けのサイズ感ではなくごついアメカジがフィットするという予想が見事にはまって興奮する。使い回しやすいちょうどいい太さの黒いパンツとアースカラーに合うネイビーのシャツを買うことで決まった。

 お洒落をしたいのではなく似合う服を着たいという段階だから、とりあえずGAPというサイズ感の合う安めのブランドから始めてシーズンごとに使いやすい服を揃えること、そこからアメカジで調べてセレクトショップに行ったり古着に手を出したりできること、体格はいいのだから選べば似合う服は必ずあることを伝えた。人の服を選ぶのは楽しい。自分では着れない服を見れたりできない着こなしを試せたりできて脳が喜んでいた。まあでも上半身の体格が良すぎるというわかりやすい課題で助かった。これが「ちょっと腕が長い」とかだとどうすればいいかわからないし。結局この日12時間くらいTさんと過ごしていた。いつも長くなるがいつも居心地がいい。

@umeya
日記を書いています。 過去日記(2023.10.1〜12.25) umeya.notepin.co