4月21日

ウメヤ
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 東京駅発の中央線中央特快に乗って発車を待っていた。向かいの座席の下にメジャーではない発泡酒の空き缶(紺色)が置かれている。乗ってきた親子連れの4歳くらいの男の子がかがみ込んで触ったりしていたがすぐに飽きた。突然男の子のとなりに座っていたメガネの青年が立ち上がり、空き缶をさっと拾いあげて車両を飛び出し、ホームをすたすたと歩いてゴミ箱に放り込んだ。あまりにも自然なイヤミのない動作だったものだから呆気に取られてしまった。周囲にも一陣の風に吹かれたような空気が漂っていた。青年が戻ってくる。なんだか背が高くすらっとして見える。元の座席に座りなおし鞄から本を取り出して読みはじめた。何を読むのか興味を惹かれたがちょうど判別しづらい距離で、じろじろ見られるのも嫌だろうと思ってあきらめた。発車待ちというタイミングだったこともあるだろうけれど、ああやってさっと動ける人はなかなかいない。普段からああいうことを無理なくやっている方なんだろう。

@umeya
日記を書いています。 過去日記(2023.10.1〜12.25) umeya.notepin.co