電車に乗ったら向かいの座席にサルゴリラの児玉さんが座っていた。気付いた瞬間に心臓が波打ち始めさっと顔が赤くなったのがわかった。ひくねとコントサークル面白かったですと声をかけたくて脳内でシミュレーションを繰り返したが、結局話しかけられないまま目的地に着き横を素通りして電車を降りた。
外で有名人に声をかけたことはないけれど、声をかけるなら(怖くない人という大前提のうえに)、①こちらが本気で声をかけたい理由があるか②その理由に向こうが喜んでくれそうか③タイミングがいいか、の3つの条件が揃う必要があると思っている。今回の場合、①→ひくねとコントサークルは堪能させてもらったので面白かったと伝えたい、②→テレビやyoutubeではなく時間をかけて作り上げたコントライブの感想ならおそらく嫌な気持ちはしないはず、と①②についてはクリアできていたのだが、③のタイミングを測り損ねた。こちらが降りる時にさっと声をかけるシミュレーションをしていたが、静かな車内で話しかけるのは勇気が要るし注目を集めてしまうことも考えると申し訳なくできなかった。あとからならなんとでも言えるけれど、発車まで数分停まっていた間にさっと声をかけ、プライベートなのに話しかけてしまってすみませんありがとうございましたと朗らかに言って一旦降りて別の車両に移る、のが最も感じのよい大人な行動だったなと思う。電車を降りるとどっと疲れて、十数分間肩に力が入っていたことがわかった。翌朝のパンを買って帰った。