用がありはじめて鷺沼で降りた。かつて囲碁将棋文田とタモンズ大波らがルームシェアしていた土地ということしか知らない。駅の周りは長く急な下り坂に囲まれていて、車がないと済むのは大変そうだ。平野でしか暮らしたことがないからそう思うのだろうか。坂を老人が杖をついて歩き、子供が走り回っている。目についた中華料理屋に入ると、混んでいないのに丸テーブルの老夫婦と相席させられてしまった。おばあさんが中央の回転テーブルを回してこちらがコップや箸を取りやすいように気を使ってくれた。食べ終わったおじいさんが爪楊枝を探すが置いていない。マイ爪楊枝を持ち歩いたらいいじゃないとおばあさんが言って、二人は出ていった。油淋鶏定食は肉の質も揚げ方も悪くとらえどころのない味で、言ってしまえば不味い部類に入るものだった。スープは塩辛く、コメは固い。店を出てくしゃみをしたら変な咳き込み方をしてしまい、そこから数十分しゃっくりが止まらなくなった。
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過去日記(2023.10.1〜12.25)
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