ひかりは
瞳のなかに 腕のなかに ときどき肌のうえ
きらきら動いたり 走ったり 泳いだり
まっすぐ向いて止まったり くるんとくっついてきたり やわらかくおじぎをしたり
眩しいときがおおくて 吸い込まれるときがときどき つかみたくなるときもときどき
ひかりは
いつもなんかそこにいる
いちばんそばにいるかも、誰よりもなによりも そばにあるかも
星よりも光になりたいわたし
光っていたい
光っていて
ひかりに向かって走っていればいつの間にか自分もひかりになっているものだと思う
ってわたしが言ったからたぶんそう
春はひかりがちかい気がする
春に浮かれて走り回る犬ころみたいでかわいい
ひかりの犬ころ
「ひかり」って呼んだら走ってきてくれるかな
春、海も川も湖も ひかりといっしょに走りたい
ひかりは
たぶんわらってる、わたしとおんなじ顔してる
これからも見つめるからねって顔をひかりにうずめる
ひかりのにおいがする