中学生の頃、絵を描いていた。
高校生になってからは、周りの友人がほとんど美大志望で、あまりにもレベルが掛け離れていったことから、自分の絵が好きでなくなっていった。加えて現在のyoutube動画のようなお絵描きハウツーも身近になく、どうやったら絵が上手くなるかもわからなかったため絵を描くという行為から遠のいていった。決定打は高校一年生から小説を本格的に書き始め、サイトも作ってしまったことから、絵はほとんど描かなくなってしまった。漫然と、私は絵が一生下手なんだろうなと思っていた。絵が上手い人は選ばれた人、才ある一握りしかおらず、私は才のない人間なのだと思っていた。
2022年の4月だったか、もしくは5月だったか、また絵を描き始めた。きっかけは悲しさと怒りからだ。本を出す時に表紙を依頼していたイラストレーターにばっくれられたのだ。
「私が絵を描けたらこんなに悲しい気持ちにならないで済んだのに」から、沸々と「なら私が描けるようになってやんよ」という思いに変わっていき、おりゃーっと始めた。iPadの無料アプリを使って、最初は何も考えずに描いていた。何が描きたいかもわからず、けれど漠然と絵は上手くなりたいと思って、その年の秋には液晶タブレットも買って、ジェスチャードローイング、クロッキー、模写を繰り返していた。
今は描きたいものがある。半年間くらいお休みしていたけれど、また始めよう。映像に使う絵を全て自分が手がけられるようになりたい。上の絵は、静物画。写経みたいで好きだ。無心で描けるのは良い。