サザンビーチに行って「海見」をしに行った。海見とは、海を見て「きれいだなあ」と思いながら水(お酒が飲めないので)を飲み、写真を撮ってまた海を眺めることで、それしかやらないので滞在時間は30分くらいで終わる。ちょっと足を波に浸すくらいで海には入らない。
晴天だったのでとても人が多かった。私は初夏や冬のシーズンオフに海見をすることが多いので、大勢の人が泳ぐ様子を初めて見た。水着やパラソルの色合いが青い海に映えてとても綺麗だった。波音も気持ち良くて、「ああ綺麗だなあ」と素朴に思い、そのままバスに乗って帰ってきた。
札幌にいた頃は、日本海沿いの海だったのでキラキラの青い海というよりは、もっと緑がかった色をしていた。小樽には太平洋沿いの海はあったが、父が人混みを嫌って、隣駅のほとんど人がいない岩だらけの海岸でレジャーシートを引いてお弁当を食べたのも覚えている。
サザンビーチなので、白いスピーカーから大音量でサザンが流れていた。あとサザンが好きなのでサザンビーチに来た。父と私はサザンオールスターズが大好きで、唯一共有できる好きなものだったと思う。あと父と明確に記憶が結びついているものでもある。私がサザンの音楽性のヤバさとかに気づいた頃には、ほとんど話さなくなっていたし、死んだので何も語れなかった。
毎回チラッと「パパ喜ぶだろうなあ」と思うので、サザン縁の場所に行くことは、私なりの墓参りなのかもしれないなと書きながら気づいた。
バスに乗って駅まで行く途中、茅ヶ崎の地域祭り的なものがあったらしく、法被や鉢巻の人が道路沿いにいたり、お神輿を担いでいる様子も見ることができた。良い日だった。