読んだ本。
17世紀オランダの職業を、絵と文章付きで並べた図集。の翻訳版。
肉屋やパン屋といったよく知る職業をはじめ、時計師、細工師、墓掘りなど、想像は付きつつもあまり馴染みのない職業まで。職の概要や盛衰について、1ページの図説・解説つき。
挿絵は全て銅版画で、当時の風景画の趣がある。眺めるだけで楽しい。図集なので、読み応え!という文章量ではない。原作準拠ゆえに文章のスペースがかなり小さく、記述の浅い部分があるのは仕方ない。
土地柄というのか時代というのか、特に詩的表現部分は宗教色が強め。読解はしなくても困らない。重用された職、あるいは賎業の情報があるのが嬉しい。
だいたい「十三世紀のハローワーク」のリアル版という感じ。違いを挙げるなら、同タイトルのような変わり種の職はないこと、職ごとの立ち絵はないこと。それはそう。
巻末にはライケン(原作者)についての解説がある。ここは結構なページ数がある。職部分は索引に向くので、調べ物の起点とか、一覧資料として手元に置くのによさそう。