ゲーム。やった。

主人公は流行っているカードゲームのルールを一切知らないのに
知っている前提でみんなが特有用語をバカスカ使いまくるから
頑張ってメモを取りつつ正しい意味を推測し、カードゲームの試合で勝利を目指す
というゲーム。
自分だけが用語もルールも知らない中で勝ち続ける、『暗中模索カードゲーム』です。正気か?
ゲーム概要からもう面白い。だいたいこの通りのゲーム。


初っ端からこういう感じで話が展開する。本当に面白い。オフチョベットしたテフをマブガッドしてリットにします。単語の説明がまた別の単語だったりするからとんでもない。
用語解明のための機能はよくできていて、「用語に対する一言メモ」と「色分け」、「その用語を使ったカード・発言の履歴の閲覧」もできる。便利すぎる。進行度に応じた「ゲームのルールまとめ」を作るイベントもあり、操作と答え合わせはごく簡単。解明は簡単じゃないけど、程よい難易度だった。
7days end with youといい、こういう言語パズルって好きだ。

一人だけあるあるネタに乗れない主人公のスクショ。
アイデア勝負みたいなゲーム概要のわりに、カードのルール自体もしっかり作られている。カードゲームあるあるの「カードを中心に世界が回っている」感が伝わってくる。ひたすらスゲ~ってなっていた。本当に普段からカードやってる人が作ったんだろうなって感じ。奥が深い……。
中盤からは言語パズルに加え、ごく普通のカードゲームバトル要素が大半を占める。どれも本気で戦術を考えないと負ける。勝てばOKで、解法はいくつかあるのがいいね。ホビーバトル文脈。俺とマジョリティアで勝負だ!
カードゲーム素養のない倉林は「デッキ構築」という概念からして本当にさっぱりだった。カードゲーマーってそういうことやるんだね。中盤からの戦闘部分はだいたい攻略を見た。(お世話になりました:鏡のマジョリティア攻略記事)
システムもカードゲームも面白いんだけど、ストーリーもちゃんと面白かった。これは多少攻略を見てでもプレイしてよかった。もちろんバトル文脈に乗るためには自力で勝てればなおよし。

ルールを覚えない主人公に何度でも教えてくれる頭脳派の履歴。
テキスト
カードゲームなので、カードがいっぱい出てくる。カードには個性があって、ステータスや特有の絵などが付いているんだけど、その中のフレーバーテキストがものすごくいい。
意味や効果は持たないけど、ちょっと雰囲気を出すために添えてある文章。例えばこんな感じ:
不公平な女神様/『気まぐれ』という言葉を辞書で調べれば、この世界の女神様の名を知ることができる。
風の魔女/まるで彼女は、風のように自由だ。いや、きっと風の方が、彼女のように自由に吹いているのだろう。
この、ホビアニにおける真剣な世界観のフレーバーテキスト、本当に嬉しい。かわいい。フレーバーでお気に入りを選びたくなっちゃうね。
いやし人形でびちゃん/かつては世界を牛耳ろうと企んでいた彼も、今となってはごらんの有様だよ。
にこりんぼう兄弟/気の合う仲間と意気投合したおこりんぼうは、怒りを忘れて今日も笑うのだ。
とてもいい。
カードは下位・上位互換というか、進化先・パワーアップ先みたいな概念もあって、そういうカードはフレーバーテキストも連続した物語性を持っている。
新米冒険者ガゼル/その時の彼はまだ、笑顔を絶やすことのない好青年だった。
熟練の冒険者ガゼル/「もう、誰も死なせたくない……」
何があったあ~? 熟練ガゼルは能力もかなり使いやすくていい。味わい。
カードのストーリーだけを見てもす~ごいいい。フレーバーテキストだけあと三百枚くらい書き下ろしてほしい。

記念碑。