本。表題通りの内容。
カビと酵母の違いから入り(定義的には両者は一体)、良いカビ・悪いカビの概念は人間視点に過ぎないこと、ワインチーズをはじめとする発酵食品との関わり方、それからいくつかのカビの生態と事例の紹介など。
大火事の後に数が爆発的に増えた(温度で発芽する)カビの話は興味深かった。白くて匂いのない納豆の話もあるらしい。「水気と入浴剤を好むカビは、人間が浴槽を使いだすまで野山で細々生きていた」あたりはいい説明の仕方だった。ビールとパンの材料がほぼ同じであることを示す「ビールは非常に湿ったパンである」は面白い言葉だ。
表紙で選んだ本だけど、内容はそんなに興味を惹かなかった。なんでだろね。著者は健康相談課とか何かで、よくカビにまつわる問い合わせがきていたそうな。その辺の話が一番面白かったかもしれない。かびるんるんに思いを馳せた。