本を飲む

undeva
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公開:2026/4/19

本を読むのは、飲み物を飲むのに似ている。考える力が足りていない時や、没頭している時は、特に。

少し前に読んだ『まるまるの毬』の続きの『亥子ころころ』を読んで、そういえばカスドースは食べたことがあったなと思い出した。葬儀で上げていたざらめをまぶしたカステラは日持ちが数日で、一箱もらってしまったから食べきるのに難儀した。あれが本に書かれていると思うと、少し不思議だ。和菓子が食べたくなったところで、父が柏餅と阿闍梨餅をもらって帰ってきた。

阿闍梨餅の生地は若鮎に似ている。和菓子の名前をあまり気にしてこなかったけれど、本を読むと途端気になってくる。家の人は好きそうじゃないけど、案外簡単に作れると知った錦玉羹を作ってみたくなったり、本を読むことはそれ自体で楽しいけれど、新しい世界がひらけるのは、また別の楽しさがある。

そんなことを思うのは、今日が神保町ブックフェスティバルで何かと本の話を聞いたからかもしれない。自分はいけなかったが、友達が1冊、私に本を買ってくれたそうでうれしくなる。今はkindle unlimitedで気になるものを端から読んでいるけれど、そろそろお金を払って何か買ってもいいかもしれない。さくらももこさんの『たびたび』も気になるし、石井好子さんの本は端から読みたい。『獣の奏者』を再読もしたい。

読みたい本がいくらでもあることを、時々果てしなく思うけれど、幸福だとも思う。本が売れなくなる時代はもう来ているけれど、諦めない人たちが少しでも長く、多くの本を売っていけたらいいなと思ったりもする。

@undeva
本と旅と万年筆が好き。