おいしい浅漬けを食べた。しょっぱすぎない、野菜の味の方が濃い浅漬け。ほうじ茶もやけにおいしくなって、あっという間に食べ終えてしまった。
自然派志向の母に育てられたので、味が濃いもの全般が得意じゃない。好き嫌い以前に、想定されている量の半分も食べないうちに米がなくなってしまう。そんな中で、漬物はお茶で食べられるから好きだった。食事で食べきれなかった分を残しておいて、お茶を飲みながら少しずつ食べたりしていた。今日の浅漬けは、そのままでもおいしいし、お茶と食べてもおいしいから、うれしかった。
自分が作ったものじゃないものをしみじみおいしいなと思う時、父のカレーライスが食べたくなる。料理学校にも行っていた母と違って、父が料理をはじめたのは母が出ていった十年ほど前からだったけれど、カレーライスだけはどこのどんなものよりも父が作るのが一番おいしい。不思議なことだ。母が作る料理はどんなものでもおいしくて、ただ豚肉を焼いただけのさえ食べるとほっとするのに、私が絶対に再現できないと思うのは父のカレーライスだった。
おいしいものを少しずつ、自分でも作れるようになりたい。お菓子だけじゃなくて、普段食べるものも。