エッセイを食べる

undeva
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公開:2026/2/13

『わるい食べもの』や『旅行者の朝食』にはじまり、食のエッセイは結構読む方だと思う。食べること自体にはさして興味はないのだけれど、逆にそのせいか、おいしそうな描写には心惹かれる。思えば「みをつくし料理帖」シリーズも、何度も何度も読み返していた。

そして昨日読みはじめたのが『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』だ。これまで読んだ中でも自分で料理をするのが好きな著者はいたけれど、この本は特に家族と料理についてよく描かれているのが印象的だった。

私の母は料理に手をかける人だった。寺に嫁ぐためにわざわざ精進料理を学んでくるのだから相当だ。聞けば、料理学校にも通っていたらしい。大人になれば自然と母のような料理上手になるものと思っていたけれど、そんなことはないと気がついたのは最近になってからだった。著者が住むのは福井。母の郷里であることもあって、余計に母を思い出した。

芋の天ぷらにからあげ、シフォンケーキ。母の料理で好きなものはいくらでも挙げられる。同じように、今好きな料理のひとつに父のカレーがあることが、なんだかうれしい。

@undeva
本と旅と万年筆が好き。