友達が新居に遊びにくるので、ケーキを買いに出かけた。この辺りのどこにケーキ屋があり、歯医者があり、花屋があるのか、私はまだ何もしらない。
調べた中で一番近い店に、郵便局に寄ってから行くことにした。なぜか警察がたくさんいて(7人くらいはいたと思う)、何かあるんだろうかと思ったら、振り込め詐欺未遂があったらしい。それだけのためにと言うと変だけれど、外で待機していた4人の警察官の人も必要だったのだろうか。この暑い中大変だなと心の中で頭を下げつつ、積年の貯金箱の中身を通帳に入れてきた。
しばらく日陰が続いたので、油断して日傘を閉じていたら、うっかり熱で溶けそうになった。今日もすっきりと晴れている。ケーキは溶けないといいなと思いながらケーキ屋があるはずの場所に行ってみたけれど、広々とした駐車スペースがあるばかり。間違えたか?と思いながら見回していたら、小さな看板に調べていた店名があるのが見えた。
扉を押して、また扉。透明なので重苦しさはそれほど感じない。ケーキやパティシエの写真が押しつけがましくないくらいに飾られているのを見ながら角を曲がれば(この言葉を一店内で使う日がくるとは思わなかった)、ショーケースが見えた。
バリエーションゆたかな焼き菓子と、おしゃれなケーキ。おしゃれすぎて、友達にはともかくうちの人に何を買うかかなり悩んだ。ショートケーキかチョコレートケーキ、あるいはミルクレープが好きな人だけれど、ここにはおしゃれな名前のチョコレートケーキしかない。「おしゃれな味だね」という感想を言うのが見えるなと思いながらチョコレートケーキをひとつ、それから友達に、夏らしいピーチジャスミンのジュレが入ったケーキと紅茶のムースが載ったタルトを買う。どちらかはきっと好きだろうと思っていたけれど、期待通りに楽しんでもらえてよかった。
帰って少し子の面倒を見ていたら、すぐに友達が来てくれる時間になった。前から写真を見てかわいいと言ってくれていたけれど、実際に会った時もかわいがってくれてうれしい。ミルクを飲んだ後で眠そうだったので心配していたけれど、彼女が来たらしっかりと起きてくれていた。赤子はいろいろな人にだっこしてもらうといいらしい。彼女にも抱いてもらえてよかった。
帰るのと同じくらいに少し眠って、夜はまたきゃあきゃあとはしゃいでいた。今日はいつになく元気だ。お客さんが来てうれしかったのだろうか。ひとしきりしゃべって、金曜ロードショーでアリエッティを流している中またミルクを飲んで、眠りについていた。
久しぶりに観ると、「借りぐらしのアリエッティ」は『だれも知らない小さな国』の対のような作品だ。小人から見た人間と、人間から見た小人。小さい者から見た大きな存在の恐ろしさを、アニメという形でうまく描いているなと思う。昔ふれたきりの他の作品も、今見直すと新しく感じるものがあるのかもしれない。