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いつか行きたい街たち

undeva
·
公開:2026/8/30

この8月、ブローガストというブログを連日投稿しようという企画があった。厳密にいえばブログというより日記なのだけれど、日々に一瞬の余裕が生まれたので、そういうものがあったという記録もかねてお題に沿った話を書いてみるのもいいかもしれないと思いながら今日の日記を書いている。教員の友達は、そろそろ夏休みが終わる頃だ。そう思うと、8月31日にまとめて絵日記を書いているような趣もある。

いろいろな人がお題を投げているのでどれを選んだものか悩んだけれど、いつかまた行きたいという願いも込めて、もう一度行きたい旅行先について考えてみることにする。

今は創作でそこそこ旅のものを書いている人間として知られているが、元々はインドアで外に出るのも億劫な方だった。どこから変わったかと言われたら、明確に大学時代の留学だろうと思う。もったいない精神で外に出るようにしていたら、外に出るハードルがぐっと下がった。それ以前とそれ以降に旅した先では、明確に意識が違うような気がする。

母の郷里は福井県の勝山で、今は恐竜博物館や新幹線開通で盛り上がっているが、昔は駅に電子改札もなく、駅員もいない田舎町だった。遊びといえば夏なら川遊び、冬なら雪遊びくらいで、それがやけに楽しかった。母はもう滅多に帰っていないけれど、私は定期的に足を運んでいる。何度行っても、漠然とした郷愁に、また来ようと思う。街角に、過去の名残がある。祖父が生きていた頃の、母に手を引かれた頃の、妹とおつかいをした頃の記憶が。大切なひとたちと、幾度も訪れている。他にない旅先。

留学以降で再訪したい街はいくつもあるけれど、筆頭はやっぱりウィーンだ。留学中はできるだけルーマニアに足を運んでいたから、ウィーンには意外と見ていない場所がたくさんある。とはいえ、もう一度行って一番したいことは何かと言われたら、あの頃いた寮からバスに乗って大学への道をなぞりたいなと思う。今もたまに、Google Mapで道筋を辿ることがある。音楽を聴きながら通った道。歩いていくか、バスに乗るか悩むくらいの距離だった。ウィーンは市内のバスと地下鉄とトラムがすべて定期で乗り放題だったから、ついバスに乗ってしまうことが多かった。あの道をもう一度歩いてみたい。

アクア・アルタで水に沈んでいたヴェネチア。はじめて訪れた憧れの国、ルーマニア。留学していた友達を訪ねていったブダペストやハンブルク。何度も歩いた上野。今はもういない友達と行った台北。

知らない街を訪れるのも楽しいけれど、同じくらい、過去の思い出を辿りながら歩くのが好きなのかもしれない。今行きたい街は、知らない街よりも、懐かしい街が多い。

@undeva
本と旅と万年筆が好き。