この世界には「存在しない人たち」がいる。
「認識されない人たち」と言い換えてもいい。
そう、厳密に言うなら「私の言う、存在しない人たち」というのは、
「存在しているけれど存在しないことにされている人たち」である。
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書籍は便利だ。インターネットは便利だ。
人の叡智を何の労力もなく手のひらの上に、あるいは網膜に載せられる。
識りもしないのに知った気分になって、何でも分かるようになる。
部屋から一歩も出ないのに。
外の世界について何でも知っているかのように振る舞える。
ろくに誰とも話さないのに。
この世の全ての人について深く知ったかのように振る舞える。
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医者でもないのに。法律家でもないのに。
要は専門家でもないのに専門家のように口を利くことができる。
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想定の意識にすら上がってこない人たち。
特定の言動をする人たちは、みんな悪い人しかいないんだと語られる横で
「私は?」と届かない問いかけをしている人たち。
そのうちの一人が私である。
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I'm not a psycho, but I might go crazy
[僕は精神異常者じゃないけど、気は狂うかもしれない]
Writing typos, they ask, "Why so shaky?"
[書き間違いをすると「なんでそんなにフラフラなの?」と訊かれるんだ]