発達障害に対する誤解(1)

ご注意

以下は私が当事者として診断されたり、当事者の知人友人と生活したりして「誤解だよ」と言いたいことを記述しています。

私は「ASD傾向が認められている」という意味で当事者ですが、専門家ではありません。

なお、ネット上の記事は「簡易的な説明により正確性が犠牲になっていることもある」ので、専門家が書いていても鵜呑みにしないのをお勧めします。確かなことが知りたければ書籍を当たってください。最近ネットの情報は駄目だ。

発達障害に対する誤解

  1. アスペルガーである

  2. 知的障害である

  3. 同じ傾向と症状である

  4. 障害・特性は1つである

  5. 落ち着きがない

  6. 過集中がある

  7. 成長しない

  8. 感情がない

  9. 他人の心が分からない

今回は「4」まで書かれている記事です。

1.アスペルガーである

△ 発達障害とは、アスペルガー症候群のことである

◎ 発達障害とは、ASD,ADHD,LDの3つの障害のことである

発達障害とは、ASD,ADHD,LDの3つの障害のことを指します。

  • ASD: 自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)

  • ADHD: 注意欠陥多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)

  • LD: 学習障害(Learning Disability)

アスペルガー症候群は2013年に「ASDの一部」となりました。

自閉症、高機能自閉症も同じくです。

単語の解説

  1. ASD: Autism Spectrum Disorder(自閉症スペクトラム障害)

    • Autism (自己的な) : 日本語訳における「自閉」とは「自分の中に閉じこもっている」という意味と言われています。しかし実際の感覚としては「自己完結的な」「過度に自律した」というのが適切に思います。

    • Spectrum (分布) : 光をプリズムに通すと虹色に分光されます。これを「スペクトラム」と呼ぶのに由来して、同じ障害や症状であるように見えても、個人差が非常に大きなものを「スペクトラム」と呼びます。

    • Disorder (障害) : 「Dis-order」は「不秩序」という意味の障害です。感覚としては「混乱」「思い通りにならない」などを意味します。

  2. ADHD: Attention Deficit Hyperactivity Disorder(注意欠陥多動性障害)

    • Attention Deficit (注意欠陥) : そのままです。Attention please.(ご注目ください)と言われても Attention が Dificit です。「注意を払いたくてもできないことがある」という部分を示します。

    • Hyperactivity (多動性) : そのままです。Hyper+Activity ハイパー・アクティビティ つまりは「めっちゃ動く」という部分を指します。めっちゃというのが重要です。めっちゃ動く性質です。

    • Disorder (障害) : 「Dis-order」は「不秩序」という意味の障害です。感覚としては「混乱」「思い通りにならない」などを意味します。

  3. LD: Learning Disability(学習障害)

    • Learning(学習): そのままです。学ぶこと。カナにすると「ラーニング」です。聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

    • Disability(障害): 「Dis-ability」は「無技能」という意味の障害です。身体障害の場合もDisabilityのほうが使われます。思い通りになるならない以前に技能が物理的にないような状態です。

2.知的障害である

△ 発達障害は知的障害である

◎ 発達障害は知的障害とは限らない

元々、発達障害というとASD,ADHD,LD,知的障害の4つを含みましたが、現在では発達障害全てが知的障害であるとの誤解を避けるためか、「発達障害(ASD,ADHD,LD)」と「知的障害」は別枠にされる傾向にあります。

3.同じ症状と傾向である

✕ 「発達障害」は全員、似たような性格で、似たような言動をとる

△ 「発達障害」には個人差がある。

◎ 「人間」には個人差・個体差がある。

発達障害どうこう以前、障害どうこう以前に「人間」には個人差があります。

趣味の差、味覚の差、いわゆる好き嫌いから得意不得意、価値観や感性の差というものが個人差にあたり、差があまりにも大きいと障害と認められることもありますが、その中でも更に個人差があります。

『「個人差」があるのは当然のこと』という点から捉えるのをお勧めします。

4.障害・特性は1つである

✕ 障害は個人の中で、1つとして発現する

△ 障害は併発し、それぞれの特性が融合する

◎ 障害は併発し、特性は別々にある

ASD,ADHD,LD,知的障害は併発する(合併症になる)こともあります。

「併発」とは「人間が二人立っている」ようなものです。

人間同士がどれだけ仲良くても、皮膚や筋肉、細胞の壁を超えて一体化する――融合するようなことは現実的、物理的に通常ありえません。

同じように障害や特性が、個人の中で1つになることはありません。

残りの誤解

  1. 落ち着きがない

  2. 過集中がある

  3. 成長しない

  4. 感情がない

  5. 他人の心が分からない

ここまで読んでくれた方なら「これらは個人差なのでは?」や「ASD,ADHD,LD,知的障害がそれぞれ別なように、別の症状なのでは?」といった気づきがあるかもしれません。簡単に言えばその通りです。

なので改めて記事を書く必要があるか悩ましいところではあるのですが、現在は保留ということでよろしくお願いします。

具体的な誤解の内容に触れるなら別記事にすべきだとは思います。

繰り返しますが私は「ASD傾向が認められている」という意味で当事者ですが、専門家ではありません。

なお、ネット上の記事は「簡易的な説明により正確性が犠牲になっていることもある」ので、専門家が書いていても鵜呑みにしないのをお勧めします。確かなことが知りたければ書籍を当たってください。最近ネットの情報は駄目だ。

@unitus0
極軽度ASD/言語IQ120