ALT機能の誤用・悪用が差別行為である件について

■はじめに

私は特性上「整頓して話す」のが非常に苦手なのと「誰がどの程度、この問題を理解していて、理解していないのか」について考えたところ、長くなってしまっている。自他が該当するかどうかよりも「こういった情報が存在する」という前提から「では、自分はどうしよう」と考えるのに使ってほしい。

私は差別に反対するという名目で新たな差別が生まれるのを望まない。

過度で一方的な批判は、それ自体が差別になりうるのだ。そのことをどうか強く意識した上で情報を取り入れ、活用してもらえればと思う。

できれば一度、最後まで流し読み、それから詳細に読み直すようにしてもらえれば全体の流れを掴みながら詳細が読めるので理解しやすいのではないかと思う。途中で全てを判断するのは控えてもらえればと思う。

■Altnative Text(オルタナティブ・テキスト)

ALT機能(ALTernative=代替)とは、

画像の代替となる文章を用意する機能のことである。

例えば

片目を隠した白髪、赤目、ギザ歯のアウラ・ゼラ族キャラクター

という画像があったとして

  • EAT

  • キャラクター

  • 片目を隠した白髪、赤目、ギザ歯のアウラ・ゼラ族キャラクター

などのように「画像が見えていた場合に得られる情報を、画像が見えなかった時に得られるように書く」のがALT機能に求められていることである。

巷の「正しいALT機能の使い方」の説明は、たまにその説明自体が間違っているので少しは調べてから書けと思っている。少なくとも金をもらって書くライターの記事なら正確性には気を払うものだと思う。本当に。

■Captionとの違い

ALT機能と似たような機能に「Caption」がある。

Altnativeが「代替」であるのに対して、Captionは「説明」である。

画像が見えている場合に、さらに追加する説明がCaptionである。

言い換えれば「AltnativeはCaptionではない」

「画像の代わりになる説明をする機能」がALT。

「画像とは別で説明文をつける機能」がCaption。

■ALT(オルタ)

例えば

片目を隠した白髪、赤目、ギザ歯のアウラ・ゼラ族キャラクター

という画像があったとして

  • EAT

  • キャラクター

  • 片目を隠した白髪、赤目、ギザ歯のアウラ・ゼラ族キャラクター

などのように「画像が見えていた場合に得られる情報を、画像が見えなかった時に得られるように書く」のがALT機能に求められていることである。

■Caption(キャプション)

例えば

片目を隠した白髪、赤目、ギザ歯のアウラ・ゼラ族キャラクター

という画像があったとして

片目を隠した白髪、赤目、ギザ歯のアウラ・ゼラ族キャラクター

イート・ミート[Eat Meet]

アウラ・ゼラ族の青年。アウラ・ゼラ族とはFF14に出てくる種族である。

などのように「画像とは別で画像に関する説明をする」のがCaptionである。

Pixivなどを利用されている方なら、説明を書くところが「キャプション」と呼ばれているのを知っている人もいるのではないだろうか。あれと「ALT」は全く違うものであるということを私は言っている。

■配慮が面倒な人へ

(それが不当に過度な配慮なら)しなくてよい。

しかし「画像を見ることのできる人が、画像が見える前提でALTに画像以上の情報を含めて便利に使う」のは配慮の問題ではない。

  • 「障害者専用の駐車スペースに車を停めて占領する」

  • 「優先席に優先的に座るべき人が来ても座り続ける」

  • 「視覚障害者の情報源である点字ブロックを塞ぐ」

  • 『障害者が来たら退くから』と言って居座り続ける

ALTの誤用や悪用は、これらと本質的には同じ行為である。

「自分たちの認識できる範囲にALT機能を正式に必要としている人がいないので、便利に使っても良い」というのは「障害者は世界に存在していない」と述べているようなものであり、さらにいえば「ALTは障害者向けの機能ではなく、健常者のものである」と不当に占領している行為である。

明確に「それを誰が何のために使うのか」が決まっているものを「自分たちにとって便利だから」と使ってはいけないのである。

■補足的な言及

「配慮が面倒だからALTを使っていないが、ALTを使わない自体が配慮のない行為として糾弾されるのではないかと心配だ」

「ALT不使用」と「ALT誤用・ALT悪用」は別の話である。

障害者はいつも文句を言い、過度な配慮を求めている。

「偏見」と「ALT誤用・ALT悪用」は別の話である。

ALTは視覚障害者だけの機能ではない。

よって、本来の用途と違う使い方をしてもよい。

「画像が見えない人のための機能」を別の用途で使用してはいけない。

ALTが1000文字も書けるのが悪い。便利なら使われて当然だ。

本文が140文字までなのが悪い。ゴミ箱があればゴミは散乱しない。

罪は罪である。"事情があるから仕方ない"は万能の免罪符ではない。

※この場合の「罪」は法的な罪[Crime]ではなく、道徳的な罪[Sin]である。マナーやモラルの逸脱。といってもALT機能の悪用を頑なに正当化する過程では障害者差別やヘイトスピーチに該当する可能性があるので場合によってはCrimeに相当する。罪かどうかに関わらず逸脱しないのが理想的だが。

日本では2016年(平成28年)から以下の法が制定されている。

何にせよ「本来の用途と違う使い方をするのは、どんな理由があっても許容されない」というのをどうにか覆そうとするのは「差別主義的な行為である」ということは厳しく追求させてもらいたい。

でないと、ずーっと、ただの配慮の問題だと思い込む人がいるからだ。

繰り返すがALTの誤用と悪用は領域侵犯である。配慮の問題ではない。

■領域侵犯

度々問題になる「過剰な配慮の要求」として「自称女性の男性が、女性トイレや女性風呂に入りたがる(LGBTQ+配慮の悪用)」というものがある。

「肉体的異性が精神的性別を理由に異性の領域を侵犯しようとすること」

これに倫理・社会・安全の問題があることは理解できる人が多いだろう。

もちろん権利として許容できるものではないのも理解できる人が多いだろう。

「ALT機能の誤用・悪用はこれと全く同じ性質の問題である」

明確に「それを誰が何のために使うのか」と決まっているものを「自分たちにとって便利だから」と使ってはいけないのである。

■ALTの誤用や悪用を擁護し、続行すること

  • あなたのやっていることは差別行為だ。

  • もっといえば差別行為を正当化し、助長する行為だ。

  • 困っている人のために用意された機能を盗んで使っている。

知らずにやっていたなら改めてほしい。

「誤用や悪用を自分ひとりだけでも行わない」

「誤用や悪用をしている人を支持しない」

それだけでも助かるのである。

「好きな声優や役者、絵描きにゲームのプレイヤー」

「彼らがALTを誤用していて、改めないので失望してしまった」

「どうして『いいね』や『リポスト』がないのか?」

「ALTを誤用してるようなポストは広めたくないからだよねえ」

このような意見も散見されることを伝えておきたい。

どうか、機能を使う前には「それが何の機能であるのか」ヘルプを参照してから使われることを心から願っている。

■Xにあるヘルプ

ALTを編集するときの「代替テキストとは?」から出るポップアップ

説明を追加

目が不自由な利用者も含め、多くの利用者が画像を理解できるように説明(代替テキストとも呼ばれます)を追加できます。簡潔にすることをおすすめしますが、画像の前後関係をよく理解できるように画像の内容を正確に説明してください。

Xヘルプ(旧Twitterヘルプ)による詳細な説明とサポート

■最後に

私の立場は以下の通りである。

  • 外国人差別を受ける(先祖が移民であるため)

  • 障害者差別を受ける(軽度の精神、身体障害があるため)

  • 性的差別を受ける(世間的にLGBTQ+に該当するため)

  • 年齢層差別を受ける(若いくせに持病があるため)

そして以下の持論がある。

  • 障害のあるなしに関わらず過度な欲求は許容されない

  • 対象が差別でも差別でなくても批判には限度がある

  • そもそも批判と侮辱と罵詈雑言は異なるものである

「困っている人をできる範囲で助ける」だけでいい。

私も他者に対してそうする。

障害があるなしに関係なく手を貸せる時はあるから。

直接助けなくてもいい。

加担しないだけでも助けになるのだから。

@unitus0
極軽度ASD/言語IQ120