チケット運、通称チケ運。
コンサート、ライブなどのチケット制の席順のことである。
舞台から近ければ近いほどチケ運がよいとされている。
私はチケ運が良い方だと思う。ていうか、めっちゃ良い。
私がライブに初めて行ったのは19歳の頃だった。
好きなアーティスト(仮にSさんとしよう)のシングルCDに封入されていた「シークレットライブ申し込み券」。
京都と東京で行う以外は何も書かれておらず、キャパも、時間も書かれていなく申し込みが当たった人しか全容が分からないものだった。
当時の私は京都の大学に通学してたこともあり、本当になんとなくその申し込み券のQRコードを読み取り、申し込んだ。
すると一ヶ月後に「抽選結果、当選しました」というメールが届いたのである。
さらに当日にシークレットライブの開催地に着くと、当選番号順に並ばされて館内に入ることに。
初めてのライブなこともあり、「わーすごいなぁ」と思っていたが、席に通されると真ん中5列目という驚異のチケ運を掴んだのである。
そのときはどれくらいすごいものか分からなかったが、後に調べるとそのホール自体のキャパ数が1500ほどであり、その中の真ん中5列目というめちゃくちゃ運が良すぎるライブデビューをしたのだ。
次にライブに行ったときはSさんのFCにも入っておらず公演日、1週間前とかに取った席だったので4階の遠くから見たのだが、遠くからだと全体が綺麗に見えて演出も心ゆくまで堪能することができた。
よく、遠くからで見えなかった。と言われることも多いが私は遠くの方が照明なども映えているし、なにより好きなアーティストとの距離はこれくらいが心臓にいい気がする。
そして、SさんのFCに入会後はじめてのライブではまさかの1階3列目を当てたのだ。
ここまで来ると自分のチケ運の良さに恐怖さえ覚える。
だが、人間は貪欲なものなので、その席順でも「いや〜、1列目がよかったな〜」なんて言っていた。
ライブ当日、迷いながらもなんとか到着し、席に着こうとすると隣にいたお兄さんに「席、間違ってますよ」と一言。
え? ここ3列目よね?
ここでさえめちゃくちゃ舞台近いけど。
そう思いながら、チケットと席を改めて確認するとチケットに書かれている数字は3列前の席。
つまり1列目だった。
ええっーーーーー!!!!
なんで!? え!?
プチパニックである。
どうやらネットと現実の席では違いがあったようだ。
どどどどどうしよう!?
いやどうしようもないよ!
なんて思いながら着席。
遅れてきた隣の人も「え! 1列目じゃん!」と言っておられました……。
ライブが始まると、アーティストと確実に目が合った気がして私はなんて幸運なんだ。と思った。
1列目という驚異のチケ運を使い果たした私は3月にまたライブに行く。
さて次はどこになるのだろうか?