山登り

uohutago
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みなさんは山に登ったことがあるだろうか。

私は3年ほど前に近くの山に初めて自分の足で登った。

のどかな道が続き、お昼ご飯も食べ、余裕だぜ! と思っていた。

しかし、山の七合目くらいには、なんでこんな遠いんだ……ッ!! と思うほど山頂に行くまでキツかったのを覚えている。

めちゃくちゃ急な坂を登りながら「もうここまで来たら登り切るしかないんだ」と腹を括り、足を動かしていた。

地面はコンクリートではないものの、坂が急勾配すぎて、地面をひたすら見ながら登った。

木が生えていない坂からは、自分が住んでいる街が小さく見えた。

その後知ったのだが、私が登った登山道は何コースかあるうち、すごく急勾配で大変な道だったことを知った。

そりゃしんどいよ。

だが、山登りとは不思議なもので、山に登り切るしかないというシンプルな目標で登るのがなんだか癖になるのだ。

あれだけしんどい思いしたのに、ただ登るだけという行為が私には魅力的なものになったのだ。

カウンセリングで「山登りしたいです」と話すとカウンセラーは「山登りで鬱治った人もいるよ」と嬉々として語った。

私は山登りで治ったわけではないだろうが、まあそういう現代社会から物理的に離されるのが、鬱が治りやすかった一つの要因だろうと思った。

山は山頂に近づけば携帯の電波は入らない。圏外になる。

そういう面では、誰かから責め立てられる電話などを物理的にシャットダウンできる。

「山に登るのが楽しいと思えるのは、よい才能だよ」とカウンセラーに言われたのを覚えている。

たしかに山登りに一回登って「もう二度こんなことしたくない!」と言う人はよくいる。

それが普通な気もするが、山登りで『無』を感じられるのも、なんだか分かる気がする。

去年くらいから「山登りたいなぁ〜」と考えていたので、今年こそは登ってみたい。