『マシニスト』(2004, "The Machinist")

Uotsumi
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公開:2026/2/2

重度の不眠症で1年間眠れていないと言い、ガリガリに痩せ細った機械工の男トレヴァー。自宅の冷蔵庫に貼られている覚えのない付箋を見つけ、職場では初めて見る溶接工の男アイヴァンに気を取られて同僚を事故に巻き込んでしまい、そのことを説明すると「そんな男はいない」と否定される。それを皮切りに彼の周りで不可解な出来事が続く……。

主役の俳優さんが実際に30kg近く減量したそのビジュアルがまず狂気で、観るに至った。しかも調べたら『バットマン ビギンズ』(2005, "Batman Begins")のブルース・ウェイン役で体重を戻している。クリスチャン・ベール。ええ……。

本編は不眠症の限界から来る幻覚を主人公が見ているだけで、どこに着地するつもりなんだろう。ただ暗く、一貫して不穏で、誰も信じられなくなった主人公が人間関係を破綻させるただの破滅エンドなのか? ……不眠症に陥った原因を直視する物語だったんだな。振り返ってみればトレヴァーが何を恐れているのか、それによって何を幻覚しているのかがよく描かれていたなと。

真相が明かされてからそこかしこに散りばめられていたヒントを回収してすっきりする物語ではなく、「ああ……」と腑に落ちる、暗いカタルシスを受けた。