2026/02/24 人生全部賭けても、銀の魔女に勝ちたい

たーんえー
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公開:2026/2/24

2/20に発売したばかりのライトノベル、『人生全部賭けても、銀の魔女に勝ちたい』を読んだ!負けず嫌いの秀才赤髪主人公フランドールと、孤独な天才銀髪少女クルーエルの関係性を描く作品なのだけど、そのお題から期待するものが高水準にお出しされて、一晩で読み終えてしまうくらい面白かった。オススメです。

物語の始まりは、2人が10歳の頃。敗北を知らなかった傲慢な少女フランドールは、ある魔法の大会で百年に一度の天才クルーエルに打ち負かされる。初めての敗北からなんとか立ち直った彼女は、クルーエルに向かって5年後に魔法学校で再び決闘を挑むと宣言する。5年間の全てを賭けて鍛錬を積んだフランはクルーエルと再会するが、彼女の様子はどこか妙で……というあらすじだ。

物語の序盤から中盤までは、フランドールの視点で進んでいく。負けられない理由、そして次こそ勝つのだという決意を胸に真っすぐに突き進む彼女。再戦のためという理由付けはあるものの、傍から見るとクルーエルにお世話を焼いている人みたいになっているのが微笑ましくもある。努力家で負けず嫌いで意外と世話焼き、更に赤髪主人公などの共通点もあって、個人的には花海咲季さん(学園アイドルマスター)を少し連想したな。

中盤にはクルーエルの抱える謎が明かされ、段々と彼女の視点も増えてくる。外からは思考がわかりづらい彼女だが、あの時はそういうことを考えていたのか……と理解できてくるのも面白い。一見正反対のような二人だが、共に不器用で、お互いをリスペクトしていて、お互いに大きな感情を抱いていて、案外似た者同士なのも王道の良さだ。

作品としてはこの2人の関係性を描くことを最重要視した作りになっていて、その潔さが好ましい。ではファンタジーとしての世界観、設定が薄いかというとそういうわけでもなく、ただ必要なタイミングで必要な情報を出す情報提示の上手さがあり、一番描きたい部分に集中しやすくなっていると思った。

一目みればわかるように、キャラクターデザインやイラストも非常に素晴らしい。実際自分も、Xの投稿に添付されたイラストがきっかけで作品に興味を持ったような気がする。首筋に噛み付いたり唇を重ねるシーンも描かれているが、その状況では必要性があってのことなので、安心して欲しい(何に?)。

1巻で綺麗にまとまっているのだが、この2人のやり取りをもう少し見ていたいので、続編を読みたい気持ちも割とある。良すぎてメロンブックスの有償アクリルスタンドを注文してしまいました。