今日は、上映中の映画『花緑青が明ける日に』を観た。その後、渋谷PARCOで開催されている同作品の展覧会にも行ってきた。
花緑青が明ける日に
役所から立ち退きを求められている花火工場を舞台とした、3人の物語。
本作の最大の強みは、映像面だろう。絵画のような淡いタッチ、細部までよく描かれた背景で、ひたすらに美しい。物語はほとんど花火工場の周辺で進むのだが、映像的な飽きが全然来ないのは舞台としての作り込みや、構図の上手さを感じた。日常の所作の描写も見事で、料理を盛り付ける何気ないシーンにも良さを感じた。ストップモーションを使うシーンがあったり、場面転換であまり見ない表現(花火玉を使う)があったりといった面白さもあった。
こういった一つの場所を中心に物語を展開するのは、(アニメでもあるにはあるだろうが)どちらかというとセット制作を労力を削減できるという意味で実写寄りの発想なような気もする。監督が日本画家として、背景や舞台設定に強く力を入れているからこういう手法が取られたのかなと思ったりした。
そしてクライマックスのシーンは、ここを描くためにこの映画を作ったのだろうと思える素晴らしさだった。76分と映画としても長くはないので、キャラクターと舞台を絞って山場の1点勝負にしたのはいい判断だったと思う。
物語の本筋はシンプルだが、序盤から台詞が最小限だったり固有名詞が織り交ぜられたりしており、序盤はとっつきにくい。とはいえ見ていく内に段々と把握できてくるので、作品の味として受け入れられる範囲か。若干記憶が不確かだが終盤、2人が互いの髪を留めたときに過去の事故での火傷跡が見える(特に台詞では触れられない)場面が個人的には良かったと思った。説明しすぎない、親切すぎない作品が今後も作られて欲しいという気持ちがある。
物語として自分に強く刺さるというわけではなかったのだが、それでも映像面含め見て良かったなぁと思えた作品だった。
映画『花緑青が明ける日に』展
渋谷PARCOでこの作品の展覧会をやっているのを知っていたので、映画を観た後はそこへ向かった。

これは作中で何度か出てきて、印象的なシーンもあるベランダ(実際に乗れる)。

マルチプレーン・カメラという手法が紹介されていた。2次元であるアニメーションに立体感や奥行きを生ませるために、ガラス板を重ねて撮影するものらしい。セルを傷つけてフィルタとして使ったりもするそう。

実際に自分でも撮影できるの、体験として良い。

作中に登場するストップモーション。

やはり美術面に力が入っているのを感じる。


映画も公開したばかりなのでここには載せないが、クライマックスのシーンの展示もあった。本編とはまた違った体験ができる作りになっていたので、そちらも強くオススメしたい。
「日本画家・四宮義俊の作品展」も併設。『言の葉の庭』やポケモン映画のポスターなどが展示されていた。

あまり周知されていないのかそんなに人は入っていなさそうだったが、このクオリティで入場無料はかなりオススメです!