春アニメ、ぼちぼち観ている。ガールズバンドクライ、夜のクラゲは泳げない、どちらの1話もガールミーツガールという感じで良い滑り出しだった。完全に好みの話だが、1話は漫画で言えば読み切りのように、一つの主題を持ってまとまっている方が好みだ。そういう意味で、二人が出会って共に歩き出すまで、を描いて終わるのはかなり良い。ガルクラの方は、3DCG表現がどこまでやれるかも注目。ヨルクラは、構図の良さだったり明暗の使い方に期待しよう。
治癒魔法の間違った使い方
最終話まで観終わった。いや~、観て良かったな。作中の倫理感や話運び、シリアスとコメディのバランスなど、色んなところで安心感のある作品だった。信頼して身を任せられる、という感じ。
『治癒魔法の間違った使い方』というタイトルがやっぱり良いな、と思う。治癒という力をどう使うか、何のために使うか、何を成したいのかという話をずっとしていると感じた。過去編のローズさんは、後悔しているという意味で「間違った使い方」をしていたのだろう。ローズの弟子であるウサトは、味方だけでなく敵も傷つけないために治癒の力を使う。それは本来の使い方とは外れている(タイトル回収シーンでもある)が、だからこそ「誰も傷つけないこと」を強い意志で選び取ったのだと感じられる気がする。丁寧に時間を掛けて戦場に立つまでを描いたのは、この作品らしさだ。
ローズさんとウサトの師弟という関係も良かった。師匠から弟子に教えるだけでなく、教えたことが師匠自身に返ってきた(言わば弟子に教えられる)シーンがいくつかあったのは、師弟ってそうだよな……と思えた。フェルムが訓練に加わってからは、ウサトが兄弟子のように訓練をこなしたり日記をフェルムに渡したりして(ベタだが)1クールでの成長を感じられた。「勇者のついで」で異世界に飛ばされたところから始まったのに対し、自らのやるべきことを定めて知らない世界へ足を踏み出すラストなんだなあ。