2025/09/04 東西南北のトラペジウム映画館ガイド

たーんえー
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公開:2025/9/5

映画『トラペジウム』が上映された全国の映画館について紹介していくガイドブック。コミックマーケット106で頒布されたものである(自分は通販で入手)。

https://booth.pm/ja/items/7265318

自分は『トラペジウム』も当然好きなのだが、どちらかというと本書の「紹介映画館100館以上!」という売り文句が気になって入手した。数年前から映画館に行く頻度が増えた上、旅先で知らない映画館にも寄りたくなってきていたので、本書は打ってつけだったというわけだ。

実際に手に取ってみると内容量は想像以上で、隅から隅まで読むのは骨が折れそうだったが、ざっと目を通したので軽く感想(または紹介)を書いてみる。

まずは前述した100館以上の映画館の紹介について。各映画館の写真と共に、各映画館の紹介文が掲載されていた。写真は映画館の外観、内装がわかるもの、『トラペジウム』上映時のものまで様々。また紹介文は映画館の設備の紹介はもちろん、映画館が入っている施設の情報や鑑賞前後のオススメの行動、交通の便など、実際に訪れている人だから書けるような情報が盛りだくさんで、なかなか読み応えがある。自分の知っている映画館でも「わかる~」や「そこに着目するんだ」といった面白さがあるし、知らない映画館についてはもちろん参考になる。

このパートだけでもある程度満足できたのだが、本書では更に「ヱビスシネマ」「塚口サンサン劇場」の2館へ実際に取材した文章も掲載されている。本書に乗っているので当然『トラペジウム』を上映した映画館であり、上映に至るまでの経緯や上映時の反応などの話もまとめられている。特に「ヱビスシネマ」の方はボリュームが凄まじく、映画監督でもある支配人の拘りや、映画館としてオープンするまでの経緯が語られている。いずれも兵庫県の映画館なのだが、こうした裏側の話を読むと一度は行ってみたいな……って。

更に日本国外、台湾と韓国での『トラペジウム』の上映事情についても、実際に現地で鑑賞した人の文章が載っていて、こちらも興味深かった。

最後には企画参加者のホーム映画館や好きなアニメ映画が記載されたパートがあって、これまた面白い。前提として『トラペジウム』が好きというのはあるのだろうけど、アニメ映画好きならお馴染みの作品が並んでいて、わかるわかる~と思いながら眺めていた。

よほどの話題作でもない限り、1つの作品が映画館で上映する期間は短く、また再上映も機会は限られる。そんな中で、『トラペジウム』という作品が色々な映画館で上映していたことを示す写真と文章がこうして一冊にまとまって残されたのは、本当にすごく貴重な資料となるのではないか……と、本書を読み終えて思った。『トラペジウム』の大ファンでなくとも、全国の色々な映画館について知り、親しみを持てるという意味で楽しめる本にもなっている。かなりオススメです。

そういえば、たまたま9/13に東京と大阪で『トラペジウム』の再上映があるみたいですね(謎宣伝)。